行政書士試験の難易度や具体的な勉強時間等が気になる受験生がとても多いと思います。
そこで、それらについて書きたいと思います。
多くの資格の学校等の目安は「集客」を目的にしています。
嘘は言っていませんが、平均レベルの受験生向けの数字ではありません。
そこで、平均~苦手レベルの受験生向けに私の実感からの情報を提供します。
1 行政書士とは?
役所(行政)に関する手続き等を代行する法律家です。
その他にも契約書関係や相続等、一番身近な法律問題を取り扱うので、【街の法律家】のように呼ばれます。
法律家としての行政書士の仕事をより知りたい貴方は
【士業資格の違い】
【行政書士とのダブルライセンスについて】
【行政書士は独立開業で事務所開設して儲かるの?】
こちらの記事も是非読んで下さい。
他の士業資格(弁護士、司法書士、社労士、宅建士など)との違い、複数の士業資格取得(いわゆるダブルライセンス)を考える場合の落とし穴、独立開業してやっていけるのか?儲かるのか?等についての記事を書いていますので、是非読んで下さい。
より行政書士とは?を知ることができます。
2 行政書士試験の情報
<受験資格・条件>
受験資格や条件は特にありません。
年齢や学歴に関係なく、誰でも受験可能です。
未成年者でも、定年退職後の人でも、受験し、実際に合格している人もいます。
<試験日>
年1回、11月第二日曜日が試験日です。
<合格発表>
試験年度の1月後半です。
今年度の合格発表は1月31日です。
合格発表の方法は行政書士試験研究センターのサイト上に受験番号表示がされます。
また、合否結果票がその日に送付されますので、合格発表日の数日以内に正式な通知が届きます。
3 行政書士試験の難易度
<合格率>
合格率だけで見ると2~11%と年によって差があります。
それでも昨今では合格率7~10%で安定してきているようです。
この数字だけ見ると、行政書士試験より遥かに難関な司法試験(弁護士になる試験)より合格率は低くなっています。
司法試験の合格率が概ね20%前後ですので。
これは何故か?
それは、行政書士試験の受験条件が「誰でも受験できる」なので、記念受験をする受験生も多いためです。
流石に何の勉強もしなくて合格できるほど易しい試験ではありませんので。
<勉強時間による目安>
通信教育や予備校等の情報を見ると【法学無学者でも半年の勉強で合格】【法学無学者で300時間の勉強で合格】等と書かれています。
しかし、この数字は法学無学者の中でも上位の人達の情報だと思ってください。
貴方自身が「勉強に強く、得意だ!」と言い切れるような人じゃなければ、この数字は全くあてになりません。
実感として、普通の人が仕事をしながら勉強すると合格するまでには3~5年は覚悟した方が良いと思います。
勉強時間に関しては、意識するだけ無駄です。
出来るだけ時間を抽出することだけ意識して下さい。
何時間勉強しようと、合格するための効率的な勉強をしなければ300時間だろうと、1000時間だろうと、1万時間だろうと、勉強しても受かりません。
合格に向けての勉強方法に関しては
【失敗する勉強方法、成功する勉強方法】
【試験勉強、試験当日の眠気対策。食事方法】
【試験勉強で貴方の邪魔をする者達】
こちらの記事を参照して下さい。
資格試験のための勉強方法や、過去問を解くメリットや目的について、眠気が出る原因と対策、SNS上で貴方を邪魔してくる善意の危険な人達等を紹介しています。
行政書士試験の難易度は、闇雲にただ勉強するだけで合格できるほど優しい資格試験ではありませんので、参照して下さい。
<体感的な難易度>
独学でも取得できるギリギリラインの資格だと思います。
特別な指導を受けなくても合格は出来ると思います。
しかし、短期合格を目指す場合、難関資格の試験にとても慣れている人とか、法学部出身者等じゃなければまず一発合格は無理なほどの難易度です。
先程も言ったように、普通の人なら3~5年は覚悟する必要がある試験です。
普通の人であれば、行政書士試験に合格するための勉強を必死に行っても一発合格はほぼ無理です。
試験にチャレンジすらしていない人や、昔に取得した人あたりがネット上で
「行政書士試験なんて一般常識があれば取得できるよ!」
と言っていますが、参考にしない方が良いです。
儲かる、儲からないの噂に関しては最初に紹介した
【行政書士は独立開業で事務所開設して儲かるの?】
を参照下さい。
10年以上前の昔の過去問を解くと確かに簡単ですので、昔はそうだったかもしれませんが、今は一般常識程度の知識では一般知識問題すら解けません。
法学部の学生でも落ちるくらいの難易度だと思ってください。
つまり法学無学者なら、楽することなんて一切考えず全力で挑むべき難関資格です。
4 行政書士の求人
行政書士の求人は少ないです。
そして、低給です。
何故か?の説明の前に、どのくらいかを紹介します。
<行政書士の求人 : 東京の場合>
【正社員給料】 概ね15~20万円前後。
【アルバイト】 時給1000円くらい
【業務】 補助、一般事務業務が多い(つまり行政書士にしか出来ない業務ではない)
<行政書士の求人 : 大阪の場合>
【正社員給料】 概ね15~30万円前後
【アルバイト】 時給1000円~1500円前後
【業務】 補助・一般事務が多い(行政書士にしか出来ない業務ではない)
<行政書士の求人 : 福岡の場合>
【正社員給料】 13~20万円前後
【アルバイト】 時給800~1000年前後
【業務】 補助・一般事務が多い(行政書士にしか出来ない業務ではない)
<行政書士の求人が低給料で、補助や一般事務な理由>
それは行政書士資格は独立開業をすることを想定している資格だからです。
【行政書士は独立開業で事務所開設して儲かるの?】
でも書いていますが、行政書士業界はある程度の飽和状態にある業界です。
つまり、自分の事務所を維持するだけでも結構大変で、お得意様で成り立っているような状態です。
もしもそこで、他の行政書士を雇ってしまうとどうなる可能性があるでしょうか?
◎ 雇った行政書士にお得意様を持っていかれる
これはわかりますね?
業務の中でお客と絶対に接しないなんて有り得ません。
そこで、お得意様が従業員の行政書士を気に入ってしまう可能性があります。
勿論気に入ってもらう方が良いのですが、問題はその先にあるんです。
先程言いました。
【行政書士は独立開業を想定した資格】と。
つまり、「どの行政書士もいつかは独立開業する可能性がある」
と見られています。
お得意様が従業員の行政書士を気に入った状態で、開業されてしまうとお得意様を持っていかれてしまうんです。
これは、お得意様で成り立っている個人事務所にとっては死活問題です。
◎ ライバルを育てる
【行政書士を雇う=ライバルを育てる】と言うことです。
先程のお得意様を持っていかれるもそうですが、行政書士が行政書士を雇うと言うことは、いつか独立開業する行政書士を育てるということになります。
ある程度飽和状態にある業界で、優秀なライバルを育てるメリットは個人事業者にはありません。
「セコイな!」と思う人もいるかもしれませんが、自分の事務所を継続するのと天秤に掛けると、どうしても保守的になるのは仕方がないと思います。
だから、行政書士事務所では求人が少なく、求人があったとしても行政書士としての仕事はさせず、一般事務や補助なんです。
司法書士事務所や規模の大き目な行政書士法人となるとちょっと意味合いが変わってくるので、少し状況は良くなるようですが、低給で、求人が少ないことに変わりはありません。
それでも独立開業ができ、開業資金が少なくて良い部分には魅力がある仕事です!
この記事を読んでいる貴方は行政書士と言う仕事に興味を持った人だと思います。
是非【行政書士は独立開業で事務所開設して儲かるの?】等の記事も読んで、チャレンジしてみるのも良いと私は思います。
長文を最後まで有難う御座いました。
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