2017年1月10日火曜日

憲法 報道・取材の自由化する世界 #10

本ブログは【一発合格行政書士 合格テキスト(TAC出版社)】に沿った内容で記載しています。


 憲法「報道・取材の自由」です。
 これは一個前の記事、憲法21条「表現の自由」の解釈に関する部分です。


1 報道の自由
 憲法21条「表現の自由」には【報道】と言う言葉は出てきません。
 前回知る権利等のように、文章にない解釈による派生した権利は憲法で直接保障しないとやりました。

 しかし、報道は表現行為です。
 しかも、国民の知る権利にとって、とても重要な意味を持つことから憲法が直接保障する権利とされています。


2 取材の自由
 報道の自由が憲法で保障されると言うことは、それを支える行為として取材も保障されるのでしょうか?
 判例で見ていきます。

<重要判例 : 博多駅テレビフィルム提出命令事件>
【簡単な内容】
 博多駅付近で学生運動と警察機動隊との衝突があり、その模様をテレビ取材班が撮影していました。
 この事件で裁判所は取材班に対し「テレビフィルムを証拠として提出するよう」命令したところ、取材班は「その命令は報道の自由を侵害するもので違憲である!」と主張して争った事件。 

【判例】
 報道の自由は憲法で保障されている。
 報道するために必要な取材の自由に関しても、十分に尊重されるべき権利である。

 ただし、十分尊重に値するだけで、公正な刑事裁判を実現するために取材の自由が制限されることはやむを得ないことであり、テレビフィルムを証拠として提出するよう命令することは許される。

※ 要は取材の自由は報道の自由から派生した権利なので、十分尊重するけど、憲法で直接保障するよりは軽い権利だってことです。


<裁判所から証言の命令があっても拒否できるケース>
 民事裁判でも、刑事裁判でも、医療関係者、法律関係者等、いわゆる守秘義務が課せられているような内容に関しては証言を拒むことが出来る。(民事訴訟法&刑事訴訟法)


3 (裁判傍聴時の)筆記行為の自由
 これは報道の自由から派生した取材の自由から、更に派生した権利です。

<重要判例 : 法廷メモ採取事件>
【簡単な内容】
 裁判の傍聴人が、自己研究の取材のために傍聴の際、メモを取る許可を求めたところ、裁判長から許可が出なかった。

 この許可を出さないのは違法ではないのか?と争われた事件。

【判例】
 傍聴人が法廷でメモをすることは、その裁判を認識・記憶しておくために行う限りは尊重に値する。
 しかし、メモの許可を出さなかったからと言って違法とは言えない。

※ これも取材の自由と同じで、憲法によって直接保障しているわけではないので「尊重はするけど、制限はするよ!」ってことです。


 次もまだこの表現の自由に関する権利です。
 しかし、次の権利は今までとは違います。

 いよいよ、他人の権利侵害とか公共の福祉を守るためとかが関係なく、絶対的に守られる強い権利になります!

 是非お楽しみに!


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