【一発合格行政書士 合格テキスト(TAC出版社)】の構成を参考に法学無学者向けに書いている記事です。
今回は憲法「幸福追求権」です。
1 幸福追求権
【憲法13条】 全ての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
憲法では基本的人権とか、職業選択の自由とか、ある程度具体的に保障されている人権を文章にしています。
しかし、文章で表現できることには限界があります。
そこで、文章として表現し切れなかった人権についてはこの13条を根拠として、保障しましょうとされているんです。
それがいわゆる幸福追求権です。
これはその時代・時代に合った人権がドンドン作られていくので、新しい人権と呼ばれることもあります。
2 新しい人権
代表例を挙げていきます。
<みだりに前科等に関わる事実を公表されない権利>
<指名・連絡先等の個人情報保護の権利>
<みだりに指紋の押捺を強制されない権利>
<みだりにその容貌等を撮影されない権利>
これらは身近な言葉として、個人情報保護法とか、肖像権と言うとわかりやすいかもしれませんね。
他にも日照権も有名ですね。
ちなみに、法的には【プライバシー】と言う言葉は出てきません。
個人情報や私生活のことなどを総称しただけの言葉ですので、法学を学びだしたら使わない方が混乱しなくて良いかもしれません。
3 重要判例
【京都府学連事件】
京都府学連が主催したデモ行進で違法な動きをし始めた個人が出てきました。
そこで、その違法な様子を警察官が撮影したところ、違法な動きをしていない他の参加者も写真には写っており、肖像権を争った事件。
<訴えた側の主張(原告)>
何人も、その承諾なしにみだりにその容貌等を撮影されない自由を有する。
よって、警察官が個人の容貌を撮影したのは憲法13条の趣旨に反し許されない。
<判例>
そのような権利は認められる。
しかし、個人の人権は絶対的に侵害されないとは言えない。
警察官の撮影はその違法行為の証拠保全のために必要で、かつ緊急な状態であった。
そのため、公共の福祉のために、今回は同意なく、みだりに容貌を撮影されない権利は侵害されることも仕方がない。
だから、本件の警察官の写真撮影行為は憲法13条には違反しない。
人権の記事を覚えている人はわかったと思います。
個人の人権は他人の人権を守るため、又は公共の福祉のためには侵害されることもあるとしていましたよね。
まさに今回はこの公共の福祉を守るために個人の人権が侵害されたケースですね。
ちなみに、この判例の文章は私がかなり噛み砕いて書いていますので、後でテキストを確認することをオススメしておきます。
判例や具体的な事例が出てくるとちょっと面白いですよね!
次回は判例が沢山出てきますからお楽しみに!
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モチベーションが下がると継続できるか自信がありませんので。
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