2017年1月31日火曜日

5分で理解する名城大学教授解雇事件

 今回は一つの事件について記事を書いてみようと思います。

 それは【名城大学教授解雇事件】についてです。

 私も今までキチンと全体像を見たことのない事件なので、普段私がどんな知識等をどんな風に噛み砕いて書いているのかの参考にしてみて下さい。

【名城大学教授解雇事件の判決文】


1 事件の概要

名城大学はA教授を
◎ 様々な内部紛争訴訟を提起し、解決のための条件を実行しなかった。

◎ 大学の建物や経費等を自己のために使う等の違法行為を繰り返していた。

◎ 自身の利益になるように裏取引等をして大学に対しての背信行為を行っていた

◎ 学部移転に伴う人員削減。
等を理由に解雇した。

 その際、理事会による決議で解雇としていたが、学則に載っている解雇手続きとしての教授会の決議は行っていなかった。


<A教授の訴え>

今回の解雇は無効だと主張し、給与の支払い請求をした。

 解雇が無効であると主張する理由として
◎ 学則に載っている解雇手続きとしての教授会を開催せず、いきなり解雇している。

◎ 解雇理由に正当性がない。
※ つまり「私の行為は悪いことかもしれないけど、それは解雇とは別問題だ!」って事です。


<大学の主張>

A教授と対立姿勢を見せ、解雇は妥当だと主張しました。

 解雇が妥当な理由として
◎ 教授会は開催していないが、法人の理事会で解雇の決定をしている

◎ 違法行為や大学への背信行為は十分解雇理由になる


2 争点

お互いの主張でどこに対立があるのかを整理します。

◎ 大学での懲戒解雇手続きとして、学則に反して教授会を開催せず、法人としての理事会の議決だけで解雇は可能か?

◎ 違法・背信行為は解雇理由になるか?



3 判決理由

<解雇手続きについて>

法人の場合、理事会だけの議決で懲戒解雇は可能である。

 大学の場合、憲法で保障する学問の自由・教授の自由を保障するために自治権が特に強く認められており、その自治権を守るためのモノが学則である。

 そのため、大学の場合は憲法を守るレベルで学則を順守すべきであり、理事会の議決だけでの解雇は無効である。


<違法・背信行為について>

そもそも解雇自体が無効なので、それ以外の事由は見るまでもない。



4 判決主文

◎ 大学の懲戒解雇処分は無効である。

◎ 解雇は無効なため、A教授にこれまでの期間の給料を支払いなさい。



 最初にリンクした判決の原文の方を見てもらえばわかりますが、読むのが嫌になってくるくらい、連々と色々なことが書かれていますが、一文で簡単に言うと

【大学の場合は、学問・教授の自由を重視して、学則に従いなさい!それに従わない処分は無効です!】って事ですね。


これは教授会をキチンと開いて解雇していれば、大学の勝ちだった可能性が高いですね。



 今回はちょっといつもとは違った趣向の記事を書いてみました!

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行政を動かす2つの方法で、もう泣き寝入りとはさようなら!?

 昨今話題となったこととして、

 狩野英孝さんの17歳との淫行疑惑報道から「女性は16歳で結婚できるのに18歳未満とわいせつ行為がダメって変」
とか
昨年だと、出産後再就職したくても保育園に入れず「保育園落ちた、日本死ね」と書かれたブログが大きな波になりました。

 これらって要は行政への不満や疑問です。

 さて、これらの時に「変だなぁ~」と思いつつ、貴方は何か具体的に行動を起こしますか?
 実は「行政に不満がある時にはこのように動いて下さい」と言う制度があるんです。

 それをご紹介します。

1 条例の制定改廃請求
<条例>
 条例とは、各自治体(都道府県、市区町村)が独自に制定する法のことです。
(法律とは、国が制定する法です。)

 狩野さんの事案で言うと、
 16歳での結婚は民【法】、つまり国の決まりです。
 一方18歳未満とのわいせつ行為の禁止は青少年健全育成【条例】 です。

 そのため、これは国が禁止しているわけではないんですね。


<条例は誰の意思?>
 条例は自治体に住む住民の意思です。
 「いや、私はそんな条例に賛成した覚えはないから!」
と思う人もいると思います。

 しかし、条例を作る機関は自治体の議会です。
 はい、つまり住民投票で選ばれた議員達が作っているので、住民の意思なんです。


「でも当選してから態度が変わる人も多いからな」
 はい、それも有り得る話です。

 そこで、住民の多くが「その条例は私達の意思に反する!」と考えた場合には、直接、条例の改廃(変更や廃止)の請求が可能なんです。

 つまり、本当は多くの住民が「その条例は変だ!」と思っていても、住民が改廃の手続きを踏んでいなければ、「その条例は住民の意思だ!」って解釈されるわけですね。

「どうせ、私達の声なんて届かないでしょ?」
と考えるかもしれませんが、それも違います。

 適切に動いた場合、議会は審査をし直す【義務】を負います。
 義務なので、必ず審査し直さなければならないんです。


<条例制定改廃請求>
 では、そのような手続きはどうすれば良いのか?
 それは【署名を集めること】です。

 先程も言いました。
 「条例は住民の意思である」と。

 そのため、多くの住民が改廃を希望している場合に改廃の審査がされるので、署名によって住民の意思を具現化するわけです。


<多くの住民って?>
 「多くの住民って具体的にはどのくらい?」
と疑問に思いますよね?

 それは【その自治体に住む選挙権を持っている住民の50分の1】です。

 条例は自治体ごとの法なので、その自治体に関係ない人の意思は無効です。

 条例は青少年健全育成条例のような都道府県の条例だけではなく、駅前の放置自転車禁止等の市区町村ごとの条例もあります。

 どの条例が、どの自治体の条例かを前もって調べておかないと無効となる署名ばかり集めてしまいますので注意しましょう!

 50分の1の数字を調べるためにはまず選挙権のある住民の人数がわからなければなりません。

 それはその自治体のサイトに載っています。
【調べたい自治体 + 選挙人登録名簿】
で検索すれば出てきます。


<署名の書類>
 署名を集める書式を用意します。

 書式は特に決まっていませんが、
◎ 何の署名かわかるように件名を明記する
◎ 住所、氏名、印鑑を求める(指印、サイン不可)
があれば署名となります。

 神奈川県平塚市のサイトに載っていた書式例を載せておきます。



2 不服審査請求
<不服請求>
 行政の処分(≒行為)に不服がある場合にはそれを審査して、シッカリとやり直すように請求することができます。

 ただし、何でもかんでも請求できるわけではなく、行政の不当・違法な行為に限られます。


<違法・不当>
 違法とは何でしょうか?
 違法とは、法律に反することです。


 不当とは何でしょうか?
 不当とは、違法ではないけれど、理不尽な感じです。
 つまり、不適切ってことですね。

 簡単に言ってしまうと、行政からの行為に対して「何だそりゃ!」って時ですね。


<不服審査請求の書類>
 これも署名と同じく決まった書式はありません。
 必要事項が書かれていれば、何でも大丈夫です。

◎ 審査請求人の氏名又は名称、
◎ 住所又は居所
◎ 不服がある処分の内容
◎ 処分があったことを知った年月日

◎ 審査請求の趣旨及び理由
◎ 審査請求が出来ることの教示の有無
◎ 教示があった場合はその内容
◎ 審査請求をする年月日


 一応書式例も載せておきます。
 国土交通省のサイトに掲載されている書式例です。

 なお、この書式の最後に載っている【異議申し立て】と言う制度は法改正により、現在は出来ませんので無視して構いません。


<不服審査請求先>
 不服審査書を作成したら、後は提出するだけです。
 ではどこに提出するのか?
 その「何だそりゃ!」なことをしてきた行政機関によって違い、ちょっと複雑です。

 わからない場合は、ここで私がゴチャゴチャ言っても分からないと思います。
 そのくらい複雑だったりします。

 そのため、その場合はその処分をした役所等に聞きに行きましょう。
 これを間違えると受理されませんので。



 どうでしたか?
「この条例変じゃない?」とか「何だこりゃ!」な時に適切に動くための制度は存在するんです。

 もし、本気で行動したいなら、是非頭に入れておいて下さい。

 なお、面倒だったり、見てもわからない場合は専門家に依頼しましょう。
 その方が楽ですし、確実ですので。
 ちなみに、その専門家はもちろん行政書士です。

 行政から何かされた場合には、泣き寝入りしなくて良いんですよ!


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2017年1月30日月曜日

今すぐ覚える!特殊な立場にある日本人の権利 #22

 本ブログは【一発合格行政書士 合格テキスト】に沿って書かれています。


 今回は憲法「公務員、在監者の人権」です。

 どちらも日本人ですが、ちょっと特殊な状態にある人達です。

 公務員は人ですが、公人です。
 つまり、個人よりも多くの人のために存在するような存在です。

 在監者は聞き慣れませんが、要は刑務所に入っている人です。
 身柄を拘束され、行動を制限されている状態です。

1 公務員の人権
<政治活動>
 公務員は公のために動かなければならないので、政治活動は禁止されています。

 その内容は、【寄付金等を求めたり、これらを求める人を手伝ったり、その他に規則等で定めている政治的な行動をしてはいけない】とされています。

 つまり、やってはダメなことを規定しているんですね。
 これは法的に見ると「それ以外はやってもいいよ!」ってことです。

 これを実際問題として判断するためには、【政治活動を禁止することで得られる・守られるメリット】と、【禁止することで失われる・侵害されるデメリット】とを比較する等して、総合的に検討する必要があるとされています。



 裁判官は他の公務員よりも厳しい制約が付いています。
 一般公務員は「ダメとしていること以外はいいよ!」でしたが、裁判官は「積極的に政治活動をしてはダメですよ!」としています。

 つまり、自分から動くような活動が全般的にダメなんですね。


<労働基本権>
 公務員も勤め人なので、労働基本権は認められます。
 しかし、その性質上、一般人に認められているのと同じには認められないとされています。

 つまり、「公人なので権利に制限が加わるのは仕方がない」と言うことです。

 そのため、労働組合等のような集結や抗議活動等は禁止され、労働時間も一般人よりキツイ職務状況になってもある程度は仕方がないとされています。



2 在監人の人権
 在監人への権利制限は認められています。
 その権利制限の範囲は、在監目的を達成するために必要最小限度に留める必要があります。

 つまり、在監者だからと言って、「何でもかんでも制限するのはダメですよ!」ってことです。

<重要判例 : よど号ハイジャック新聞記事抹消事件>
【簡単な内容】
 拘置所に勾留されていた者が新聞を購読していた。

 その日の新聞には過激なよど号ハイジャック事件に関する記事が掲載されおり、その内容から拘置所内の秩序が乱れる恐れがあるとして、拘置所長が記事を塗りつぶして配布した。

 これは拘置中の者の知る権利を侵害するのでは?と争われた。


【判決】
 拘置中の者は、逃走・証拠隠滅を防止するために勾留されている者なので、権利に一定の制限が加えられることはある。

 しかし、それだけではなく、監獄等内の規律・秩序維持のためにも制限が加えられるものである。

 そこで、閲覧の自由への制限は、勾留目的である逃走・証拠隠滅の防止だけではなく、監獄等内の規律・秩序に障害が生じると認められることが明らかな場合には、知る権利の侵害とは認められない。

※ 要は「この記事を見せたら皆が騒ぎ出すようなことが目に見えている時には、塗りつぶしたり、切り取ってしまうのもオッケー!」と言うことです。



 これで人権の部分は終了です。
 次からは多くの受験生が大嫌いな国会に入って行きます!

 「大嫌いでもやらなければいけない!」
なら出来るだけ簡単に進められるように記事を書いて行きますので、お楽しみに!


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初心者でも5分で覚えられる!法人の人権 #21

 本ブログは【一発合格行政書士 合格テキスト】に沿って書かれています。


 今回は憲法「法人の人権」です。
 前回までは生きている人について書いてきましたが、今回は「生きていない法人にも人権はあるのか?」について書いて行きます

※ なお生きていない死者に人権は保障されていません。

1 法人
 法人とは「法律上の権利・義務の主体」とされています。

 簡単に言うと、【法律で人と認められた団体】です。
 代表的な例としては株式会社とか、福祉施設とか、行政書士協会等々。


 法人を認めることで、会社とやり取りが出来るようになります。


 例えば会社と取引をする時を考えてみて下さい。
 実際に取引交渉をするのは社員さんですが、契約はその社員さんとするわけではありませんよね?

 誰が責任を持って成立した取引に対応するのか?
 それは会社の責任で対応します。
 個人ではなく、会社と言う集まりですよね。

 だから、この集まりをシッカリと法人として定義するメリットがあるわけですね。



2 法人の人権
 憲法の人権規定は、権利の性質上可能な限り法人にも適用される。

 これは外国人の人権と同じですね。
 法人も法律上は一応”人”ですので、出来る限り人権を認めましょうって位置付けです。

 ただし、法人に選挙権等は性質上認められません。
 これは「法人に所属している社員さん個人に認められない」と言っているわけではありません。

 あくまでも法人と言う団体に認められないだけです。
 


3 重要判例 : 南九州税理士会政治献金事件
【簡単な内容】
 南九州税理士会は、税理士法の改正運動に関しての政治献金をするために、会員である税理士から特別会費を徴収する決議をした。

 税理士会は税理士として仕事をするためには加入が強制される団体なのに、特定の政治団体への献金のために会員から会費を強制的に徴収する決議は、税理士会の目的範囲外の行為であり、無効ではないか?が争われた。


【判決】
 税理士会は強制加入団体であり、会員は実質的に脱退の自由がないので、法人から会員に協力要請出来ることには限界がある。

 政党への献金は選挙の自由に関係する行為であり、それは会員が自主的に判断すべき事柄である。

 強制加入団体である税理士会が多数決によって意思決定をして、それを会員に義務付けるべきものではない。

 よって、これは税理士会の目的範囲外の決定で無効である。



4 重要判例 : 群馬県司法書士会事件
【簡単な内容】
 群馬県司法書士会は、阪神淡路大震災により被災した団体に寄付するために、会員である司法書士から特別会費を徴収する決議をした。

 司法書士会は司法書士として仕事をするためには加入が強制される団体なのに、寄付のために会員から会費を強制的に徴収する決議は、司法書士会の目的範囲外の行為であり、無効ではないか?が争われた。


【判決】
 南九州税理士会の判例は、自主的に決定すべき選挙権の自由に密接に関わる決議であったために無効とされたものである。

 本件のように、寄付に関しては自主的に決定すべき要請は弱い。
 そのため、いずれも強制加入団体ではあるが、寄付を目的とする特別徴収の決定は、司法書士会の目的範囲内の決定である。


 さて、これで日本人、外国人、そして法人について終わりました。

 次は日本人なのですが、ちょっと特殊な状態の人について見ていきます。
 是非お楽しみに!

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2017年1月27日金曜日

緊張に弱い人必見!1分で緊張を和らげる方法 5選

 今回は緊張を緩和する方法について書きます。
 一応本ブログは資格試験についてのブログなので、試験を想定します。

 しかし、緊張を緩和させたい人は会議の前とか、就活時とか、生活の様々な場面で活用できますので、「自分何も受けないし!」ではなく、どなたでもお読みください!


1 掌を刺激する

<掌を温める>

カイロを持ったり、暖かい飲料缶を持ったり、体の暖かい脇の下や脚の下に掌を入れて温めましょう。

 人は過剰な緊張状態に陥ると、防衛反応から大きな器官に血液が集中します。
 その結果手足などの末端部分の血流が悪くなり、末端部の体温が落ちます。

 これは約5℃近く落ちるそうです。
 そのため、冷えた部分を温めることで、緊張が緩和されます。


<何かを握り>

握ると言うことは、それだけでは、掌が温まりますので、前述の効果も期待できます。
 更に、掌には緊張を和らげるツボが多く、それを刺激する効果があります。

 このための商品もあるのでご紹介しておきます。

【ストレス・リムーバー  プルスエッグ】
 微弱な低周波刺激で、落ち着きたい時、やる気を出したい時、どちらにも対応した刺激を与えてくれます。

 低周波刺激の強弱は調整可能で、本当に微弱なので苦手な人も心配不要です。

 刺激による脳の働きの変化には個人差があると思いますが、最低でも事項で説明する【意識を別に向ける】効果はありますので、無駄にはならないと思います。



2 意識を別に向ける

人が悩み、緊張するのは、
【これから起きることを色々と考えてしまう】
または
【過去のことを色々と考えてしまう】
からです。

 そのため、そのことを考えなければ悩みや緊張は緩和・消失します。
 しかし、人は自力でそれが出来ません。
 だから悩み・緊張すること自体を悩むんですよね。

 これから紹介するのは、この意識を別のことに向けることで、考えないようにする手法です。

<掌を合わせる>

これも、掌を温める効果があります。
 しかし、今回はそうではなく、掌を合わせた部分で自分の脈を感じ取って下さい。

 掌は皮が厚いので、「脈を感じよう!」と集中して意識しないと感じるのは難しいです。
 しかし、集中すれば必ず感じます。

 この方法は悩みだけではなく、脳そのものを休ませる方法です。
 最近だと【マインドフルネス】などと呼ばれますね。

 ホットヨガの合掌のポーズはこれをしています。
 別に、仏教的なお祈り、作法ってわけではなく、キチンと意味があったんですね。


<暗算を繰り返す>

これも意識を別に向ける原理は同じです。
 体の刺激ではなく、脳を使うタイプです。

 その代表的な方法としては
【100から7を引き続ける】
です。

つまり100、93、86、79、72・・・・・
ってことですね。

 意識を計算に向けることが目的なので、書いても良いのですが、出来れば頭の中だけでやって下さい。

 その方が集中しやすいので。

 これは東京喰種(トウキョウグール)と言うアニメで、主人公が敵に捕まり拷問を受けた時、意識が飛ばないようにさせられていたモノですので、知っている人も多いかもしれませんね。

※ 結構グロイシーンなので、そっち系が弱い人は興味本位で調べないことをオススメします。


<笑顔をつくる>

人の体は考える能力がありません。
 そのため、実物とイメージの違いを認識できないんです。

 その代表例としては、レモンや梅干し等の酸っぱい食べ物を頭の中でイメージするだけで唾液が出てくる現象です。

 実際には目の前にはなく、味や匂いを感じなくても体は反応するんですね。
 これを利用します。

 その方法は簡単・単純です。
 心が伴ってなくて良いので、無理矢理にでも笑顔を作りましょう。
 それだけです。

 不安・緊張の消失は難しいですが、緩和はしていきます。
 ただし、体を騙しているだけなので、笑顔を解いた瞬間、不安と緊張は戻ってきます。

 試験会場とか、会議室で満面の笑みを作るのは難しいでしょうから、口角を上げて、口だけ笑顔の形にするのも効果があります。
 いわゆる「目が笑っていない笑顔」ってやつですね。

 これをハーフスマイル療法と呼ぶとか、呼ばないとか。

 もっと詳しく知りたい貴方はこちらの
【笑の治癒力 アレンクライン】
に載っていますので手に取ってみてはいかがでしょうか?


 笑いが体と精神に与える影響等を学問的に書いている本です。
 福祉業の人には必須と言えるほど、とてもためになる本です。



3 落ち着くためのサプリ

これは体調管理ではなく、ホルモンを調整して緊張もコントロールしてしまおう!ってことです。

 

<GABA(ギャバ)>


 紹介している商品は栄養素だけ抽出したモノではなく、健康志向なサプリなのでダイエット向けに販売しているみたいですね。


 ここで重要なのは緊張を緩和させる成分(アミノ酸)であるギャバです。
 最近だと多くのチョコレートに入っているので知っている人も多いと思います。

 サプリに抵抗がある人は、スーパーやコンビニでも買える
【GABAチョコレート】


 又は発芽米の摂取でも大丈夫です!



4 やる気を出すためのサプリ

<チロシン>

最後にこれはドーパミンの原料になるアミノ酸です。

 これは私も飲んでいましたが、半年くらい飲んでいると、普段よりちょっと攻撃的な感情が発生しやすくなった気がします。

 それが試験が近づいてきてのストレスなのか、ドーパミンの影響なのか分かりませんが、用法用量をシッカリと守り、過剰摂取はしないように注意しましょう!


 これだけ見るとマイナスイメージかもしれませんが、適量であればプラスが多いです。

 ドーパミンは心を落ち着かせるのではなく、興奮・活性化する方の快楽物質です。
 一言で言うなら【やる気の元】です。


 「大丈夫かな?できるかな?」と不安・心配な状態だと、落ち着くだけではなく「やってやるぞ!何かワクワクしてきた!」というやる気も欲しいですからね。

 そんな貴方にはチロシン摂取によってドーパミン生成を助ける方法もオススメです。



 どうでしたか?
 ほとんどが今すぐ行える簡単なモノですので、是非本番で貴方の努力が100%発揮できるように、活用してみて下さい。



【関連記事】

【古いテキストを使うデメリット】

【体調管理や眠気対策として食事に気を遣う重要性】

【テキストの選び方】

【試験に受かる勉強方法、落ちる勉強方法】
こちらも併せってお読みください。


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2017年1月26日木曜日

この3つで試験に合格!?試験に合格するためのテキスト選びの注目点

 「勉強を始めようと思っています。でも、どのテキストを買えば良いのかわからない」
 そんな人は多いと思います。

 そこで、試験用テキストの選び方をお教えします。

【資格試験等の受験専用の勉強方法や過去問を勉強する意味】

【受験勉強、試験当日の食事について】
も併せてお読みください。

1 テキストの種類を選ぶ

一言でテキストと言っても、受験生の今の実力に合わせて大きく3種類あります。

 これを知らないで何となくで買ってしまうと、貴方の実力に合っていないテキストを買ってしまうかもしれません!

<入門書>

その試験内容に関して、無学者とか、未経験者向けのテキストです。

 基礎的な用語や大まかな全体像を把握するのに適しています。
 ただし、知識がない人向けなので、極力難しい言葉を使わないようにしているため、文章量は他のテキストより多かったりします。

 見分け方として、テキスト名や前書き等の序盤部分に【はじめての】とか【入門】と言う言葉が使われています。


<合格書>

その試験に合格する上で必要な知識が詰め込まれています。
 出版社によってその基準に差はありますが、どれを選んでも合格に必要な最低限の知識は得られます。

 無学者・未経験者で、いきなりこの合格書から手を出しても大丈夫です。
 大丈夫ですが、聞きなれない言葉等に触れて、勉強の意欲が削がれないように注意が必要です。

 見分け方としてはテキスト名や前書き等の序盤部分に【合格】とか【これ一冊で】みたいな言葉が使われています。


<応用書>

その試験で「普通この難易度じゃ解けないってば」というような難問も得点したいような人向けです。

 これはすでに合格出来るようなレベルの人向けなので、私的には自己満足・趣味の本だと思っています。

 既に合格できるレベルの人用で、試験合格には特に必要ないテキストです。
 これはあくまでも、難問用なので、大は小を兼ねません。

 つまり、応用テキストを完璧にしても合格基準の基礎的な知識は身に付きません。

 見分け方としてはテキスト名や前書き等の序盤部分に【応用】とか【難問】みたいな言葉が使われています。



2、テキストのタイプを選ぶ

貴方の今の実力に合ったテキストを選んだら次は、貴方が「勉強しやすい!」と思うテキストを選びます。

 これは貴方がどう思うか?次第なのでオススメも何もないのですが、私が見てきたテキストだと大きく2タイプあります。
(細かく見るともっと分けられますが)

<簡潔タイプ>

これは図のような1見開き分(=2ページ)だけで一つの項目が完結している物です。

 これだけでその項目を勉強できます。

 とても簡潔に整理されており、しかも後で見返しやすいので、特別なこだわりがないなら、このタイプが無難です。

 ただし、箇条書き等で、「これはなんでそうなるの?説明が少し物足りない」と感じる時もあります。


<文章タイプ>

これは簡潔タイプとは違い、ページ簡潔をしていません。
 文章がツラツラと書き連ねられています。

 ページによる縛りがないので、とにかく文章・文章なので、正直とても見難いです。
 しかも、ページごとの整理ではないので、後で見返すのも面倒です。

 ただし、ページによる縛りがないので、「なんでそうなるの?」にもシッカリと説明が入っていたりします。



3 テキストの冊数

テキストのタイプはそれぞれ特徴があり、お互いのデメリットを補うように見えます。
 そこで「両方買おう!」と考える人がいるかもしれません。

 それはオススメしません。
 何故か?

 資格の勉強中にテキストを複数持ったり、途中で買い替えるのはタブーだからです。

 その理由は、出版社やテキストごとに重視している部分が大きく異なり、複数のテキストを見てしまうと

「あっちのテキストでこれは載ってなかった!」

「あっちのテキストではこの分野は重視していないのに、こっちのテキストでは重要と言っていた!」
等と不安を煽るからです。

 テキストの種類でも言いましたが、合格テキストならどの出版社でも合格に必要な知識は学べます。
 その上で、重視している部分を肉付けしている感じです。


 そのため、出版社による違いで怖がったり、勉強方針を変更する必要はありません。
 テキストに載っている事で一喜一憂するくらいなら、沢山問題を解きましょう。

 テキストを覚える勉強は資格の勉強ではそんなに重要ではないので、複数のテキストを用意して勉強量を増やすのは無駄な時間を増やすだけです。

 そんなことをしていては落ちてしまいます。

 貴方が最初に選択したテキストを信じて、最後までそのテキストで勉強しましょう。


 なお、それで試験に落ちてしまい、再出発をする際には、そのテキストが貴方に合っていなかった可能性があるので、むしろ変えた方が良いです!



4 オススメ

私も何でもかんでも受験しているわけではないので、「介護福祉士はこれ!」「行政書士はこれ!」「司法書士はこれ!」「医療事務はこれ!」のようなところまでのオススメは出来ません。

 先程まで紹介してきたのはテキストの骨組みの部分です。
 ここではテキストの肉付けとして、良いと感じる部分を紹介します。

「これらが載っていると、より良いと思います」って程度のオススメです。

<チェック問題>

1項目が終わる度に、その項目に関するチェック問題が載っている物です。
 簡単な物で良いんです。

 これはテキストで知識を覚えた(気になっている)状態で、その知識を利用し、考えることで知識の定着化に繋がります。

 ちなみに、本当にチェック程度で大丈夫です。
 本格的な問題は問題集で解きましょう!


<連動した問題集がある>

勉強は、知識を入れるだけではまだ問題を解く力が弱いです。
 そこで、実際に問題を解くことがとても重要になります。

 正直、試験の難易度によってはテキストを一切勉強しないで問題を解いて、解説を読むだけでも合格できる試験もあります。

 それほど問題集を解くことは大事です。

 これでテキストと連動している問題集があると、テキストで1項目勉強する度に、問題集もその項目の知識について問題を解けるので、とても勉強になります。

 自分に合ったテキストで、連動問題集があったらラッキーだと思いましょう!
 即決で両方買うことをオススメします!


<末尾の索引が充実している>

テキストは最初よりも、後で見返す利用方法が最も重要です。

 そのため、「これについて詳しく知りたい」と思った時に索引が充実しているか、充実していないか?はとても重要です。

 「知りたい」と思った時にすぐ調べられないと「これくらい、まっ、いっか」となってしまい、折角知識を補強・補充する最大のチャンスを逃すことに成り得ます。

 かなり勉強が進めば索引を見なくても「これはこの辺りだったかな?」と調べられるんですけどね。


<私の経験上の話>

私が普段好むのは
◎ 合格テキスト
◎ 簡潔タイプ
◎ 連動問題集がある等
◎ 有名出版

これらの条件を満たすテキストです。

 有名出版社を好むのは、誤字脱字がとても少ないからです。

 あまり聞き覚えのないような出版社だと、1文字違うだけで意味が真逆になってしまうような重要な部分ですら誤字脱字が多かったりします。

 ハッキリ言って、それは致命的です。
 特に士業資格などの難関資格だとそれのせいで落ちると言えるほどです。

「そうは言っても、売られているんだから稀でしょう?」
と思うかもしれませんが、実際にそのようなテキストは普通にありますからね。

 実際に私はテキストではなく問題集ですが、解答・解説の部分で誤字脱字だらけで、ほとんど使えず直ぐに捨てた経験があります。

 その問題集は1項目につき1ヶ所以上誤字脱字があるレベルでした。
 こんなモノは教材とは呼べません。
 受験生を邪魔するための妨害図書です。

 その時点で合格を狙えるくらいの知識はあり、補強目的で解いていたので誤字脱字に気付けましたが、初めて勉強する段階でそのようなテキストや問題集に当たってしまうと、終わりです。

 だから、その経験から私は大手出版社のテキストしか選びません。
 

【関連記事】
【古いテキストを使うデメリット】

【すぐ実践できる緊張を緩和する方法】

【体調管理や眠気対策として食事に気を遣う重要性】

【試験に受かる勉強方法、落ちる勉強方法】


これらも併せてお読みください。


 読者さんの反応次第で、問題集の選び方等についても書いていくかもしれません。

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2017年1月25日水曜日

2つの例を見るだけ!理不尽に怒られる現象と法学の関係性。

 想像して下さい。
 貴方は職場や学校などでこんな経験、又は光景を見たことはありませんか?

【同じ行為をしても、Aさんはお咎めなし、Bさんは怒られる】

【何か問題等が発生すると、Aさんは犯人扱い、Bさんは疑われない】
等々。

 学校や職場ではこのようなことが日常的に行われています。


 最近でも、狩野英孝さんの17歳との淫行報道でも、もしこれが狩野さんじゃなかったら違ったかもしれません。

【狩野さんの淫行報道】についての法的な解釈も併せてどうぞ。


 今回はこれを法的に見てみましょう!

1 A君とB君の喧嘩

例を出すので、貴方も是非考えてみて下さい。

<事例1>

 高校で、A君とB君が喧嘩をしています。
 そして、A君がB君を殴りました。

 さて、貴方が悪いと思うのはどっちですか?

 恐らく殴ったA君ですよね?
 法律もそのように判断します。

 では次です。


<事例2>

先程のA君とB君の喧嘩です。
 実は、B君は普段からイジメをする主犯格の人間です。

 そこでB君は、A君に対して「C君を苛める手伝いをしろ!手伝わないとAの妹をボコボコにするぞ!」と言いました。

 そこで、C君のイジメも、妹がボコボコにされることも拒否したA君はB君を殴りました。


 さて、貴方が悪いと思うのはどっちですか?

 これは意見が分かれるかもしれませんが、恐らくB君の方が悪いと判断する人の方が多いのでは?と思います。


<人によって価値判断が違う>

ここで意見が分かれるのは、人それぞれに価値判断が違うからです。
 事例1では殴った行為だけを見て判断するので、A君が悪いと判断する人が多いです。

 一方事例2では、「A君が殴ってしまうのは仕方がない」と思えるようなことをB君がしているから、天秤に掛けてB君が悪いと判断するのかと思います。


 A君の行為自体は何も変わらないのに、悪者が変わるのって変だと思いませんか?

 これが最初に言った、職場や学校で人によって扱われ方が違う現象の原因です。

 その状況を判断する上で、その者の人物像、イメージ・素行等が大きく影響する考え方をすると発生する現象です。

 法学ではこれを【裸の価値判断】と呼びます。



2 裸の価値判断

法学的にはこの裸の価値判断で判断しません。
 事実は事実として、「定義されている悪い事をしているか?していないか?」で見ます。
(ただし、情状って形で参考にはします)


<事例を法的に見る>

A君はB君に酷いことを言われ、B君を殴りました。

 法律はB君の普段からの人間性や言った言葉は一端置いておき、

【A君がB君を殴った】
この事実だけに着目します。

 そのため、裸の価値判断では「A君はB君を殴っても仕方がない」って事例でも、A君の殴った行為を悪い行為だと判断します。

 「人を殴ってはいけない」って法律に反する行為をしていますので。
 このように、事実を事実として判断するんです。

 もちろん、B君の文言は強要行為ですので、B君の行為も悪い行為と判断します。

 つまりこの事例2は「A君も、B君も悪い行為をした。」と判断されます。

 これを言い表した言葉としては
「喧嘩両成敗」
とか
「罪を憎んで、人を憎まず」
が挙げられます。


<罪を憎んで、人を憎まず>

これは、その行為に着目すべきであり、その人物像を見て「悪者だ!」等と勝手に決め付けてはいけないってことです。

 つまり、「裸の価値判断をするな!」ってことです。



3 最後に

このような考え方は法学云々だけではなく、生活の中で結構重要なモノの見方です。

 このような見方をすることで、安易な判断をしなくなりますので、公正な判断を出来るようになります。

 だって、行為・事実を見るだけですので、人によって態度を変えるなんてことをしなくなりますので。


 このような考え方・モノの見方はカウンセリング理論・心理学では行動療法・行動主義理論的な見方です。

 パブロフの犬で有名な理論ですが、一部だけを見て「この人はこのような人間だ!」と判断せず、その都度事象だけを見るってことですね。

 だから「この人はこのような人間だ!」とは見ずに、事象が積み重なっていくだけなので、どんな人間でも受容・受け入れることがし易くなるんですね。



 今回は行政書士とも、時事とも関係ないことでしたが、是非裸の価値判断だけではなく、このような俯瞰(ふかん)で見る意識も持ってみてはいかがでしょうか?

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2017年1月24日火曜日

20代で知っておくべき大統領令とは?

 トランプ大統領が就任し、早速TPP離脱について大統領令に廃止の署名をしました。
 これほど早く動き出したと言うことは、他の政策よりも関心が強い事だったんだと思います。

 細かい体制は【アメリカの政治体制】に大統領と議会の関係や法律の特徴等を書いていますので、併せて一読ください。

 今回はこの「大統領令とは?」にスポットを当てたいと思います。


1 大統領令とは?
 大統領(行政・軍事のトップ)が発する命令です。

<行政立法>
 行政権限に属する大統領には立法権限はありません。
 そのため、原則的には法律を作れません。

 しかし、例外的に【行政による立法】と言うモノが一部認められており、この大統領令も行政活動を行う上で必要な命令として下すことが出来るモノです。

 命令も種類としては【法】に分類されます。
 【憲法とは?】に法の種類や優劣性を紹介しているので、詳細はそちらをお読みください。

 行政活動を行う上で「一切の立法を認めない」としてしまうと、命令や通達、規則を作る等も一切できないことになります。


 行政権に限らず、貴方の職場でも職務規定等まで立法機関しか制定できないのでは、組織が回らなくなってしまいますよね?
 だから、「ある程度の決まりは立法権限がない所でも作って良いですよ!」ということです。


<大統領令の効力>
 先程も言ったように、法の一種ですので、効力は当然発生します。
 ただ単に「大統領が何か好き勝手言ってるよ」では済みません。

 そのため当然、今回トランプ大統領が署名したTPP離脱の大統領令も効力はあります。
 あくまでも国内での効力なので、それによって国際社会の法となるわけではないので、そこは勘違いしてはいけませんよ。

 ただし、現在アメリカ議会(立法)はTPP参加に消極的ですので、今回の大統領令はそれを後押しするような形になるのかなと思います。


2 大統領令による独裁国家化

「大統領に法律を作る権限もあるなら、トランプ大統領みたいな人にそんな権限を持たせたらアメリカは独裁国家になっちゃうじゃん!」
と思う人もいると思います。

 しかし、それは有りませんので、心配は不要です。


<議会による牽制>
 基本的に大統領と議会は権力が分立しているので関わり合いません。
 しかし、行政の権限だろうと、立法を行う場合はそうは言ってられません。

 そこで、立法機関は「大統領令が変だ!」と覆したり、改正させることが出来ます。


<司法による牽制>
 更に独裁的、違法な大統領令は司法審査で「認めない」とすることも可能です。


 大統領はあくまでも行政(実際の行動)権限の最高権力者なだけで、法律を作ったり、適法性を判断する権限はないんです。
 つまり、何でもかんでも権力を全部持っているわけではないんです。

 行政はあくまでも行動をする権限ですので、行動指針の法律を作る立法権限はオマケって程度で捉えて下さい。

 「オマケですが法でもある」って感じです。


<オバマケア>
 アメリカは医療保険制度が未発達です。
 そのため、日本のように誰でも安価で医療を受けられるような国ではありません。

 それでは貧困に悩む国民が苦しんでしまいます。
 そこで前オバマ大統領は「安価で医療が受けられるようにしよう!」と考えました。

 日本のような皆保険とは違うのですが、国民が保険に入るように、入りやすいようにする政策を打ち出しました。

 そうすれば、アメリカでも安く医療を受けられるようになりますので。
 だから前オバマ大統領はこれを大統領令で決めました。
 これがいわゆるオバマケアです。

 しかし、実はアメリカ国民の多くはこの制度に反対している傾向にあり、トランプ大統領もこのオバマケアを廃止しようとしています。

 これも近いうちに大統領令によって廃止になると思います。
 そのため、このオバマケアが廃止になることでトランプ大統領を批判するのは違いますからね。

 日本人の感覚からすると「何で?」って思う人も多いと思いますが、助かる人もいれば、損をする人もいますから、お国柄もあるんだと思います。


3 日本はどうなの?
 日本も行政立法、つまり内閣が命令等を作ることは認められています。
 ただし日本は大統領制ではないので、またちょっと違います。

 基本的に日本では行政の内部的な決まり事として発するだけです。
 その性質上、国民に影響が出る部分が全くないとは言い切れませんが、「影響が全くないとは言い切れない」って程度の影響です。


 日本の詳細に関しては、#番号付き本編の行政法部分でやりますので、それまでお待ちください。


 アメリカのトランプ大統領に関するニュースはこれからも、「オバマケア」「大統領令」と言うワードは重要キーワードですので、是非注視してみて下さい。

 TPP離脱に関しても、大統領令に署名されただけではまだ100%の確定ではないようで、日本はまだ粘るようですので、そこも注目です!


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2017年1月23日月曜日

この中に青山真麻さんの違法性が隠れています

 ワイドショー等のテレビ等で狩野英孝さんの未成年者との淫行疑惑報道。

 袴田吉彦さんとの不倫を暴露し、売名行為?と騒がれている青山真麻さんの、通称アパ不倫と呼ばれている報道。
等々。

 前者については【未成年者との淫行に関する法律を考える】として記事を書いているのでそちらを参照下さい。

 今回法的に見ていくのは後者です。

1、不倫は違法行為

見出しに書いたように、不倫は違法行為です。

<違法性>

夫婦には婚姻によって生じる義務が法的に発生します。
 不倫は、この夫婦間の義務の継続を破壊・邪魔、妨げる行為だと言うことで違法行為になります。


<夫婦の義務とは?>

【民法第752条】夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。

 条文だけではこれだけです。
 しかし、これをもっと具体的に言うと
◎ 同居義務
◎ 協力義務
◎ 扶助義務
◎ 貞操義務
となります。


<被害者はだれ?>

被害者は当然、不倫をされた夫婦の片方
 つまり、不倫をしている者の配偶者になります。

 だから、夫が不倫をしていれば妻が被害者。
 勿論逆に、妻が不倫をしていれば夫が被害者。
となります。


<加害者は誰?>

刑法犯罪ではないので、加害者と言う表現はちょっと違うのですが、この方がイメージしやすいと思うので、あえて使っています。

 この場合の加害者は不倫相手です。
 被害者の配偶者ではありません。

 つまり、損害賠償で訴えるなら、不倫をしている旦那や妻ではなく、不倫相手を訴えることになります。


<不倫相手が加害者との考え方>

それは、「その者のせいで夫婦の義務を続けることが出来なくなってしまったから」と解釈するためです。


 もう一つ言うと、夫婦同士で裁判をしても、お金が家庭内で回るだけで、被害者の救済にならないからです。


「相手より、不倫した旦那(妻)が許せないんだけど!」
となるかもしれません。
 そこで、不倫相手と折半にさせることも可能ではありますし、不倫を理由に離婚も可能となっています。

 これは少し説明をします。
 離婚は夫婦両方の同意があれば自由に可能です。
 つまり、そこに不倫があろうと、なかろうと可能です。

 これを言い換えると、片方が「離婚したい!」と思っただけでは認められません。


 しかし、不倫等が理由で片方だけが「離婚したい!」と思った時には離婚を認めましょう!としているのが【不倫を理由に離婚も可能】って部分です。

 そういった意味で離婚も可能と言っています。



2 不倫していたことを週刊誌に告げる青山真麻さんの事案

ここまで見てきて、このように不倫していた事実を流出させる行為がどういう行為かわかりますね?

「売名行為、やり方が汚い!」とか、
「倫理観が崩壊している!」
どうこうではなく、「私は袴田さんと不倫していました」という情報を週刊誌に流した青山真麻さんは

「私は違法行為をしていました」
と自首しているのと同じになります。

 つまり、袴田さんの妻から訴えられる証拠を自分で残しているってことです。

 そのため「どうぞ私を訴えて下さい!」
と言っているような行動と言うことです。



 このようにワイドショーやニュースも視点を変えると見え方が違ってきますね。

 今回は他の記事と比べるとちょっとワイドショーよりな記事だったかと思います。
 全部が全部、堅苦しい法律だけの記事でもつまらないと思いますので、ご了承ください。


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2017年1月22日日曜日

その発想はなかった!新しい法学とは?

 こんにちは。
「生活の役に立つ!」とか、「何かあった時のために!」と法律を学びたいと考える人が多くなってきています。

 そこで実際に勉強を始めるとします。
 しかし、法学無学者は最初から壁にぶつかります。

 それは
「法学を学びたいけれど、何をどう勉強して良いかわからない」
です。

 そのような人は、具体的に民法とか、刑法とか学ぶ前に、法律用語とか、法学独特の考え方等の基礎となる部分をまずは学びたいんだと思います。

 そこで今回は、「法学ってそもそもどんな学問なの?」から、その部分に触れたいと思います。


1 法学とはどんな学問?

多くの人はこのように思っていませんか?

◎ 法律・条文を覚える学問
◎ 裁判例を覚える学問
のように暗記の学問だと。

 これは「ノー!」
 つまり法学は暗記の学問ではありません。

 法学は解釈の学問です。
 言葉を様々に解釈し、自分なりの解釈を作り上げる学問です。

 そのため、自分で作り上げるクリエイティブな学問と言えます。


 法律の条文や判例の暗記は、その様々な解釈をするために必要な基礎知識です。
 使い方としては、自分の作りだした考え方の根拠、他者に説明する時の説得力として肉付けする根拠という位置付けです。

 そのため、【条文や判例の知識が少ない初心者が考える解釈】【条文や判例の知識が多い弁護士が考える解釈】とでは、弁護士が考える解釈の方が説得力がありますし、根拠の厚みが違いますよね。


2 狩野英孝さんの17歳との淫行疑惑報道を例に

この事案は成人が17歳とのわいせつ行為をしたって事案です。

 この事案については、法律を学んだことのある人の中でも意見が割れます。


 【未成年者との淫行を理解するための7項目】 
 私はこちらの記事で、罪に問われ得ると考えを書いています。

 一方で、ある弁護士さんは【法律上処罰される可能性はほぼゼロ】との見解を見せています。


 これは実は法学上はどちらも正しいんです。
 何故か?
 先程「法学とは?」で言いましたよね。

 法学はあくまでも解釈をする学問なんだと。
 様々な解釈をして、自分なりの解釈を作り上げる学問なんだと。

 だから、このどちらの解釈も、根拠を持った解釈なので、法学的に間違いではないんです。

 実際問題としては、白黒つけなければいけないので、そこは裁判って形で決めることになるんですけどね。

 今回は関係ありませんが、これに白黒をつけるのが裁判(司法)です。

 本来はどちらも正しいことに対して、「こっちが正しい。こっちが間違っている」と決められる司法権限の強さが分かりますよね。


3 実際に自分なりの解釈をしてみよう

法学的な解釈をするのに、とても良い事例がありますので、是非貴方なりの解釈を導き出してみて下さい。

<事例>

 A男とB女は結婚をしましたが、子供が出来ません。
 そのため、体外受精を決めました。

 そこで、病院で施術が行われ、見事受精に成功しました!
 その受精卵をまだ病院で保管している間に、病院に泥棒が入り、受精卵を盗んでいきました。

 さて、この犯罪は何罪になるでしょうか?



 この事例は一見簡単そうなのですが、具体的に考えていくとかなり難しいことに気付くと思います。

 貴方は最初に
「窃盗罪じゃないの?」
と考えるかもしれません。

 ではその根拠は何でしょうか?
 窃盗罪と考える場合の解釈例を見ていきましょう。

<窃盗罪と解釈する場合>

【刑法235条】他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とする。

 この条文を見て何か引っかかる部分はありますか?
 そうです。
 窃盗が成立するためには盗まれた物が【財物】じゃなければならないんです。
 つまり【物】ってことです。

 ここで根底が覆りますね?
 「受精卵って物なの?」と。

 さあどうですか?
 窃盗と考えた貴方の根拠を今出す時です。

受精卵が物と解釈すると
◎ 受精卵を売買出来ることになります。
◎ 受精卵を質屋に預けてお金を借りることもできるようになります。 

 それでも受精卵を物と考えますか?

 今ここで思い浮かぶ「受精卵は物である」と説明する根拠の厚みが、今の貴方の法学的な知識量です。


 「物じゃないかも!!!」
と思ってしまったなら、貴方の解釈はまだ弱い解釈なのかもしれません。

 しかし、実は物じゃないと考えても問題が出てきます。


<受精卵は物じゃないと解釈する場合>

受精卵が物じゃないと解釈するなら、「受精卵は生き物(人間)だ!」と捉えることになると思います。
 法的には動物は物ですので、物じゃない生き物と言うことは人間ってことになります。

 と言うことは、人間が連れ去られたわけですから略取・誘拐罪になります。
 それならシックリきますか?

 ではここでもお聞きします。
「受精卵が人間であると解釈する根拠は何ですか?」


 受精卵が人間であると解釈すると
◎ 受精卵が相続権等の様々な権利を持つことになります。

 つまり、金持ちの受精卵を大量に作ったり、盗むことで相続権を持った者が沢山いることになります。
 受精卵を保管(扶養)している者は養親になる可能性もあります。

 更に、受精卵が盗まれていなくても病院で死んでしまった場合、病院は業務上過失致死罪、又は状況によっては殺人罪に問われることになります。

 これはこれで、とても大きな不具合だと思いませんか?


<現在の落としどころ>

困りましたね。
 このように実際問題として法学的に考えても解決しない問題が生じます。
 先日の狩野さんの問題の解釈も同じようなものですね。

 この問題について現時点では「どちらと決めない」って感じの解釈が有力です。
 「司法判断をする場合は受精卵の窃盗は無罪にしましょう!」って感じのようです。


 つまり、受精卵は財物でも、人でもないってことですね。


 ここにまだ法律の未発達・未熟な部分が露見しましたね。
 このような未発達な部分が見つかると、特別法が制定され、明確にするというプロセスを踏むわけです。

 だから、解釈によって色々と作り上げていく学問なんですよね。


4 法学無学者にまず読んでほしい本

どうでしたか?
 受精卵が盗まれる事例は楽しんでもらえましたか?
 それとも、「詰まらない」と感じましたか?

 楽しさを持った貴方は法学が向いているかもしれません。
 そのような貴方に是非最初に読んで欲しい本が

【キヨミズ准教授の法学入門 木村草太 著(星海新書社)】です


 普通の法学入門書よりもとても分かり易く、読みやすい本です。
 法学のことはシッカリと学べるのに、小説形式なのでとても読みやすいです。



 どうでしたか?
 法学を学ぶとはこういうことです。
 決して条文や判例を暗記することが目的の学問ではないんです。


 少しでも面白いと感じていただけたら
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2017年1月21日土曜日

試験に99.9%出題される!トランプアメリカ大統領絶対攻略マニュアル

 2017年1月ドナルドトランプ大統領が誕生しました。
 暴動が発生し、逮捕者も出ているとか、何とか。

 それはともかく、トランプ大統領は大統領就任演説で「TPP離脱、アメリカファースト、法人税引き下げ」などを主張したようです。

 正直私個人としては、「トランプ嫌だ!」「トランプ期待する!」どちらでもないです。
 動き出しを注視しているだけです。

 好き嫌いを言うくらないら行政書士試験一般知識として出題される可能性がほぼ100%なアメリカについて勉強しましょう。

 全部過去にも出題されたような重要項目ですので、全部確認しておきましょう!

 行政書士試験を受験しようとする人は、絶対に覚えるべき程に重要な単語は赤字にしておきます!

1 アメリカの法体系の特徴

<法系>

世界的に法律は英米法系大陸法系の2種類に大分されます。

 英米法系の大きな特徴は【判例主義】と言う事です。
 簡単に言うと、裁判所の判決を最も尊重する考え方の法体系です。

 大陸法系の大きな特徴は【法典主義】と言うことです。
 簡単に言うと、文章としてシッカリと書かれていることを最も尊重する考え方の法体系です。

 名前を見ればわかるように アメリカは当然英米法系です。
 つまり、文章として表現されている法より、過去の判例等を重視しています。


<日本はどっち?>

日本は裁判で過去の判決と違う判決を出すためには、最高裁の大法廷で審判しなければならない等と決められており、簡単には過去の判例と違う判決は出せません。

 と言うと判例を大切にしているので「英米法系?」と思うかもしれませんが、そうとも言い切れません。
 島国だけあって、独自進化をすることからガラパゴスなんて言われますが、法律も実はガラパゴスです。

 日本の法律は英米法系と大陸法系両方の特徴を持っています。
 現憲法は英米法系です。
 第二次世界大戦で敗北し、日本国憲法の監修をした国は分かりますよね。

 はい、アメリカです。
 アメリカは英米法系です。

 しかし、アメリカが関与したのは憲法だけです。
 その憲法を基に作り上げた法律の多くは、当時法体系が高度に発達していたフランス・ドイツを多く取り入れています。

 フランス・ドイツは大陸法系です。
 日本は色々と特殊な部分が多いんですね。
 

2 アメリカの政治形態

<世界の政治形態>

主に大統領制議院内閣制半大統領制に大分されます。

 アメリカは勿論大統領制です。
 トランプ大統領と呼んでいるくらいですしね。

 議院内閣制は日本、イギリスが有名です。

 半大統領制はフランス、ロシアが有名です。
 ドイツもここに入るのかな?って感じです。

<アメリカ大統領>

行政・軍事の長です。
 任期は4年、二選まで可(つまり最大8年)です。
 各州の大統領選挙人による間接選挙で選ばれます。

<アメリカの議会>

二院制で、上院と下院から構成されています。
 大統領と議会は基本的に交わりません。

 日本のような議院内閣制だと、内閣と国会の違いを知らない人もいるくらいに似たり寄ったりなイメージを持ってしまいがちですが、大統領制の場合は分離されています。

<大統領と議会>

分離されていると言いましたが、完全に分離してしまうわけにもいきませんので、最小限の牽制はし合います。

 大統領は議会が可決した法案を拒否する権限だけ持ちます。
(日本は内閣から法案の提出、衆議院解散等、様々な関与が可能です。)


3 TPP

そもそもTPPとは何でしょうか?

<正式名称>

環太平洋戦略的経済連携協定です。

<参加予定国>

オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナム、アメリカの12ヶ国です。

 要は太平洋に接している国って感じです。

<目的・目標>

加盟国間で、
◎ サービス・人の移動・基準などを整えること
◎ 例外品目のない、関税撤廃

<アメリカの動き>

アメリカはTPPの発案国ではありません。
 しかし、大国なので協議を主導し、日本のTPP加盟への動きを作った大元の国です。

 しかし、トランプ大統領は一貫してTPP離脱を強調し続けています。
 そのため、日本や他TPP加盟国としては「ここまで来て、それはダメでしょう~」となっている状態です。

 

4 アメリカはTPP離脱と同じことを過去にもしていた!?

実はアメリカは過去にも似たようなことをしています。
 それは国際連盟です。

 第二次世界大戦後に発足された現在の国際連合の前身となった世界機関です。
 この国際連盟の発端は当時のアメリカ大統領ウッドロウ=ウィルソン大統領による【14ヶ条の平和原則】です。

 国際連盟はアメリカの呼びかけで発足されたのですが、アメリカは参加していません。
 自分で呼びかけて作った機関に、自分達が参加しないドタキャン状態をしています。

 TPPと似ていますね。



 私のブログは時事を紹介していると言うよりも、行政書士試験を意識した記事構成になっているので、ニュースとはちょっと切り口が違ったかもしれませんね。

 でも、行政書士試験の一般知識はこのくらいの知識が普通に問われます。
 正直言ってこれは一般常識レベルではないです。

 ネット上で「行政書士試験なんて一般常識があれば誰でも合格できる資格」と言っている人を信じてはいけないことが分かっていただけたかもしれませんね。

 しかも、このレベルの時事問題がシッカリと解けないと脚切りに合いますので、どんなに法律問題が解けても落ちます。

 受験生は焦っちゃいますね!

 一般知識についても書いて行きますので、是非今後もブログをよろしくお願いします。

 なお、目に見える形での支援・応援がないとそこまでモチベーションが継続していけませんので、
 ブックマーク・拡散・フォローなどを宜しくお願いします。
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2017年1月20日金曜日

未成年者との淫行を理解するための7項目

 タレントの狩野英孝さんが17歳の高校生との淫行疑惑があるとの報道がありました。
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6227702

 この報道に対して「女性は16歳で結婚できるんだから問題なくない?」とか「法律の矛盾点」との意見が多くみられます。

 そこで、法的にどうなっているのか解説します。

1 女性は16歳で結婚できる
【民法731条】 男は18歳に、女は16歳にならなければ、婚姻をすることができない

 婚姻は精神、肉体共にある程度の成熟をしなければ認めるべきではないとのことから、このように年齢を設けています。

<ある程度の成熟の基準は?>
 日本の法は大きく異なる趣旨の法律を複雑に取り入れて作られています。

 この内、この年齢の部分はフランスに大きな影響を受けており、当時のフランスでの医学的判断を参考にした年齢となっています。


<男性と女性の年齢差は何故?>
 外務省が公式見解を発表しています。
 要約すると【男性より女性の方が成熟が早いから】とのことです。

 勿論感覚的なものではなく、医学的に検討してだと思います。


2 未成年者の行為能力
【民法20条1項】 未成年者は制限行為能力者である。

 だいぶ条文を書き換えていますが、今回重要な部分はここだけなのでご了承ください。
 制限行為能力者とは聞き慣れない言葉ですよね?
 簡単に説明します。 


<制限行為能力者とは?>
 判断能力の欠如・未熟を理由に、単独で法律行為を有効に行うことが出来ない者のことを指します。

 未成年者の他に成年被後見人、被保佐人、被補助人があります。
 後者3種類は精神疾患等によって判断能力が欠如していたり、未熟だったりする成人です。

 難しく色々と言いましたが、要は、未成年は精神疾患等と同等に判断能力がまだ未熟だってことです。


<法律行為とは?>
 相手のいる約束事は全部法律行為だと思って問題ありません。

 コンビニの買い物、物の貸し借り、遊びに行く来る、婚約等々、全部法律行為の契約です。

 基本的にはこれらを一人では行えないってことです。

 ただし、コンビニとか文房具屋等、日常生活での契約行為は単独でも有効になる等の例外もあります。
 その詳細は今後、本編の民法でキチンとやりますので、今回は省略します。


3 結婚年齢と制限行為能力者
 婚姻可能な16歳は当然制限行為能力者です。
 つまり、単独で婚約(結婚する契約)や婚姻は行えません。

 必ず親の同意が必要です。
 この親の同意があって初めて、法律行為(婚約など)は、有効に決定すると定められています。


<精神成熟と判断能力>
「最初に16歳で精神的に成熟していると言ったのに、一方では制限行為能力者(=未熟)って変じゃない?」
と思うかもしれません。

 しかし、結婚する上での精神成熟と、法律行為を一人で成す判断能力の成熟とでは基準は違います。

 【法律行為を成す=責任を自分で取る】と言うことです。

 制限行為能力者として未成年者の行為を制限している理由は、
「未成年者の法律行為は有効ではない、だから何かトラブルがあっても責任を取らなくて良い!」と未成年者を守ることを目的にしているんです。

 未成年者に窮屈な思いをさせたいわけではないんですね。


 一方結婚は結婚=不具合ではありません。
 だから、「ある程度の成熟度で認めても良いでしょう」ってことです。

 この二つは趣旨・目的が違うんです。
 つまり、条文や数字だけ見て、趣旨や目的を見ないでいると矛盾と感じるんです。

 法律って難しいですね。


4 未成年者とのわいせつ行為
 青少年健全育成条例で禁止されています。

 この法律は未成年者が対象です。
 16歳でも婚姻している場合は未成年者ではなく成人なので、この条例の違反にはなりません。

 婚姻している者は成人となり、16歳で離婚しても成人のままとなります。


<条例で禁止している>
 条例なので、その趣旨・目的は各都道府県ごとに違います。
 「条例とは何か?」についてはこちらの【憲法とは?】に書いてあります。

 先程まで説明してきた通り、法律は条文だけでは判断できません。
 同じ条文や数字が使われていても、その趣旨・目的によって意味合いが違いましたよね。

 それが各都道府県ごとに違うので、これは一概には言えませんので悪しからず。


<わいせつ行為とは?>
 これも自治体(都道府県、市区町村)によって違うのですが、主に手淫、口淫、姦淫、性器を触り、触らせる行為です。

 つまり、手でする、口でする、性器でする、触る・触らせるってことですね。


<何故未成年者とのわいせつ行為が禁止されるのか?>
 【未成年者は未成熟だから】
 これが全てですね。

 先程も制限行為能力者の部分でも見ましたね?
 基本的に「未成年者は未熟な者として保護しましょう」って趣旨です。

 つまり、16歳での婚姻はこの条文の例外って感じですね。


 なお、16歳という未熟な者でも、婚姻しているってだけの理由で保護しないのは、婚姻して法的責任を負う状態にある者を条例でだけ特別に保護する必要はないためです。

 言い方は悪いかもしれませんが「法律で自分の行為に責任を持つと覚悟して結婚したなら、条例でも自分の行為には責任を持て」と言うことですね。


<成人男性側が罪に問われないケース>
 しかし、男性側も何でもかんでも100%罪に問われるわけでもありません。
 これが犯罪として成立するためには蓋然性(がいぜんせい)が必要です。

 蓋然性とは、事前にそう知っていたってことです。

 つまり、相手が未成年者だと知らなければ罪に問われません。

 だから相手が欺罔行為(騙し行為)を行い、成人男性側が「この女性は成人だ!」と勘違いしていた場合は成立しません。

 ただし、ただ普通に「私は成人です」と言っていただけでは「この女性は成人だ!」と思い込んでいたのかどうかの判断は難しいです。

 見た目が明らかに未成年者だった場合は、例え未成年者が「私は成人です」と言っても普通は信じませんし、疑います。

 そのため、騙す文言があった場合は、見た目や騙した行為の内容などを総合的に判断しないと何とも言えません。


5 結婚を前提の付き合いでもダメ?
 未成年者でも、親の同意さえあれば婚約(契約の一種)は可能です。
 この婚約をしている者同士のわいせつ行為はどうなんでしょうか?

 これは現在でも争いのある曖昧な部分です。

 多くの自治体では【真摯な交際関係は罰しない】とされているのですが、実際に結婚していない状態で真摯かどうかの判断が難しいんです。


<未成年女性が損害を受ける例>
 未成年女性側「この人と結婚したい!」と本気で思っていたとします。
一方の成人男性は「この女性と結婚したい!」と言葉にはしていますが、本心では体目的だった場合どうなるでしょうか?

 当然、騙されていた未成年の女性だけが酷く傷つき、被害を被る結果になりますよね?

 では、この未成年者を誰が守ってあげられるでしょうか?

 親ですか?
 いいえ、それは無理です。
 親も結婚するモノとして結婚に同意しているのですから、このケースでは事前に守ってあげることは出来ません。

 この男性の体目的なだけの本心を訴えたい場合、その本心の証明が出来なければ損害賠償・慰謝料請求も行えません。

 そこで成人男性側が「本当は体目的だけで、結婚なんてするつもりは一切ありませんでした。」と証言するならともかく、騙して未成年者とわいせつ行為をするような男性ですから、そんなことを言うはずがありませんよね。

 では、そのような可能性がある交際関係で誰がこの未成年女性を守りますか?

 「16歳以上で結婚する意思表示をしている男女間のわいせつ行為は不問とする」としてしまうと、誰もこの騙されている未成年女性を守れないんです。

 だからそこは、「本人の責任にするのではなく、法律で保護しましょう」ってなるのは仕方がない部分かもしれません。

 その方法として、嘘等を見抜く能力も成人よりは未熟であろう未成年者を守るために「未成年者とのわいせつ行為をそもそも禁止しますよ!」とするのは仕方がないと考えられています。


<このケースで16歳で婚姻した場合>
 男性側の本心が体目的だったとしても、実際に婚姻さえしてしまえば、結婚の意思があるもないも関係ありませんよね?

 既に結婚しているわけですから男性が結婚する意志が本当はないなんて状況は有り得ません。

 つまり、結婚の意思があっても実際に婚姻しているか、していないかは次元が違う雲泥の差だってことです。


<実際問題の話>
 そのため、未成年者の女性が結婚を意識していても、成人男性が逮捕されるケースが多いです。

 この犯罪は非親告罪、つまり、被害者が訴えなくても罪になるので、女性が「結婚しようとしているのに、逮捕しないで!」と言っても通用しません。

 だから本当に男性側も結婚しようとしていても逮捕されてしまうことがあるので、この部分は争われている部分です。

 しかし、もう一度言いますが、実際問題として逮捕されるケースが多い事実は事実として知っておくべきです。


 余談ですが、未成年者同士のわいせつ行為の場合は逮捕ではなく、双方が補導対象となります。


<自治体による違い例>
・ わいせつ行為をする、させるだけではなく、教えることも禁止している県がある。
(性教育が出来ないのでは?との批判もある)

・ みだらなわいせつ行為を禁止している県がある。

・ 売春のみを禁止している県がある。


6 条例に疑問を感じた時の行動
 これは行政法で詳しくやりますが、あえて載せます。

 条例はそこに住む住民の多くが要望したから出来上がっています。
 つまり、逆を返すと多くの住民が批判したり、適切に改正を求めれば改正されるんです。

 それを条例の制定改廃請求手続きと言います。
 その適切な手続き方法をお教えします。

<署名を集める>
 選挙権のある住民の50分の1以上の署名で改廃請求が行えます。

 選挙権が必要ですので、年齢には気を付けて下さい。
 選挙権がない人の署名は幾つあっても意味がありません。

 住民とは、その地域に3ヶ月以上居住している日本人です。
 外国人とか、他県の人の署名を何件集めても意味がありません。


<自治体の長に提出する>
 青少年健全育成条例は都道府県が制定しているのが普通なので、知事に直接提出します。
 直接請求と呼ばれる手続きなので、直接提出できます。

 知事は受け取ったら必ず議会に提出し、審議しなければなりません。
 これは義務です。


<議会>
 何故知事は議会に提出するのか?
 それは、議会が立法機関だからです。

 つまり、知事は条例を作ったり、変えたりは出来ません。
 それを行えるのは議会だけです。
 だから議会に提出するんです。

 そして、その条例を決める議会の議員はそこの住民が選挙で選んでいる人達です。
 だから、議員の作る条例に不満があるなら、選挙で選ばなければ良いだけです。

 だから、住民の意思によって条例は出来上がっているんです。


7 まとめ
◎ 法律は趣旨・目的の違いにより判断は変化する。
◎ そのため【16歳で結婚できること】だけを理由に何でもかんでも判断することは出来ない。
◎ 法は未成年者に危険な可能性がある場合は保護する方を選択する。
◎ 現在でも議論の余地はある

◎ 条例は都道府県、市区町村ごとに違う法である。
◎ それはそこの住民の意思で出来上がっている法である。

◎ 異論があるなら、住民皆で反論する必要がある。


 このようなことですね。
 少し難しい部分もあったかもしれませんが、未成年者とのわいせつ行為禁止に関してはこういったことです。


<後日の補足>
 その後様々な法律家・弁護士先生がこの事件についての解釈を載せています。

 それを読んで
「やっぱり合っているんですね!」
と思ったり、逆に
「お前の言っていること間違ってるじゃん!」
と感想を持った人がいると思います。

 実は法学的にはどちらの意見も間違っていないんです。
 何故か?
 それは法学だからです。

 その部分をもっと詳しく知りたい貴方は
【法学とは?】
を読んで下さい。

 もっと混乱してしまうかもしれませんが、「法学ってこんなに面白い学問なんだぁ!」と感じる人もいると思います。

<私の解釈の根拠>
 私の解釈は法律の趣旨・目的に沿った場合に視点を置いています。
 そのため、このような解釈になりました。

<反対の解釈の根拠>
 ここで紹介した弁護士先生は憲法の人権に視点を置いていると思います。


 視点が違うんですから、解釈内容が違って当然です。

 私に対しても、解釈の違う弁護士先生に対して、批判をする前に是非法学の特徴を知って下さい。

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外国人の人権についてみんなが誤解していること #20

本ブログは【一発合格行政書士 合格テキスト(TAC出版社)】に沿って書かれています。


 今回は憲法「外国人の人権」です。

 今までは【国民は】等、日本人を想定した部分でしたが、外国人だって日本にいるわけですから、人権がどのようになっているのかは重要な部分です。

 外国人についての明文は存在しないので、判例に従って保障されている感じです。

1 外国人の人権の基本的な考え方
 人権とは、国家や憲法が出来る前から存在するモノである。

 そのため、人権保障は、権利の性質上日本国民のみを対象としているモノを除き、日本に在留する外国人にも等しく及ぶ。


<判例 : 外国人職員昇進拒否訴訟>
【簡単な内容】
 地方公共団体が、【管理職に昇進できるのは日本人に限る】とするのは、外国人の差別では?と争われた事件。

【判例】
 そもそも外国人が公権力の行使を行う公務員になることを、日本の法律は想定していない。
 そのことから、日本人のみが管理職に昇進できるとする仕組みは違憲ではない。


2 重要判例 : マクリーン事件
【簡単な内容】
 外国人Aは在留期間の延長を求め、更新申請を行った。
 しかし、法務大臣は「Aが在留中にデモ集会に参加する等の政治活動を行ったこと」を理由に更新を拒否した。

 それを不服として、拒否判断を取消し、延長を認めるように争われた事件。

【判決】
 外国人にも、その性質上日本国民のみを対象としているモノを除き、日本国憲法の人権は保障される。
 そして、デモ等の政治活動もある程度の限度内で認められるので、デモ等を行うのは問題ない。

 しかし、法務大臣が判断した事に対して、延長を認めるように要求するような権利は認められない。

※ つまり、デモはオッケーだけど、出入国に関しては不服を言っちゃダメってことです。


3 重要判例 : 定住外国人の地方選挙権
【簡単な内容】
 日本に住んでいる外国人Aが、「自分が選挙人名簿に登録されていないことは不当だ(=投票できない)」として選挙管理委員会に異議の申し出をした事件。

【判決】
 選挙権はその性質上、外国人には保障されない。

 また、憲法で言う選挙権のある【住民】とは区域内に住所を有する日本国民を指しているため、その地域に住んでいる外国人では、この条文を根拠に「私は住民である」と主張することも出来ない。

 ただし、国政とは異なり、地方選挙に限っては、定住外国人に対して特別な法律を作ることで、選挙権を付与することは許される。

※、つまり原則的には選挙権はないけれど、地方選挙なら認める余地があるってことです。
なお、法律を作るか、作らないかは立法の裁量なので、司法が判断するものではありません。


4 重要判例 : 外国人指紋押捺拒否事件
【簡単な内容】
 外国人Aが、外国人登録申請を行った際、申請に必要な指紋の押捺を拒否したため、外国人登録法に違反するとして起訴された事件。

 指紋の押捺の強制は違憲ではないか?
 また、違憲だった場合、それは外国人Aにも及ぶのか?
が争われた。

【判決】
 何人も、みだりに指紋の押捺を強制されない自由を有する。
 そして、この自由は外国人にも等しく及ぶ権利である。

 しかし、外国人登録手続きでの指紋の押捺は、在留外国人の公正な管理を行う上で合理性のある必要な手続きであり、指紋の押捺方法も過度の苦痛を与える様なものではない。

 そのため、本件での指紋押捺は違憲ではない。



 この辺りになると、いきなり判例だけを読むと難しく感じるかもしれませんね!
 もし単発的にこの辺りの記事を読んで難しいと感じたら、最初から順序建てて読むことをオススメします。

 徐々に難しくなってくる感じですので。

 今回は外国人でしたが、次回は生きている人ではなく、法的な人についてです。

 そうです。
 法人と呼ばれる人について人権は保障されるのか?についてです。

 是非お楽しみに!

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2017年1月19日木曜日

将来なりたい職業はもっと評価されていい

 10歳代、中高生の人気職業ランキングをご存知ですか?
 中高生のためのハローワーク
によると第一位はパティシエです。

TBS「マツコの知らない世界」でも楠田枝里子さん紹介によるチョコレートの世界と題して、世界的なパティシエについても紹介されていました。

「単純にチョコレートが好き!」
って理由だけで、中高生が選ぶ職業一位にはならないでしょうから、そこには様々な魅力がある職業なんだと思います。

そこで、
「パティシエになるにはどうしたら良いの?」
「パティシエってどんな仕事?」
等を詳しく解説できれば良いのですが、私もそれは詳しくないので、先程紹介した中高生のためのハローワークを見て下さい。

 ただし、パティシエとして独立することも考えているなら役に立つ情報ですので、行政書士には興味がなくても無関係ではありませんので、是非最後まで読んで下さい。


 今回はパティシエの何をお話しするのか?
 それは行政書士の関わり方です。

1 行政書士と「将来なりたい職業」
 行政書士として具体的な展望が見えていない受験生は多いと思います。
 そこで、「今の中高生はパティシエになりたいそうです!」

 この情報を見て「へぇ~そうなんだ。時代も変わったね。」
で終わる行政書士受験生がいたら「何やってんだよ!」と言いたいです。

 この情報から行政書士がお手伝いできる、仕事として繋がる思考がなくてどうするんですか!?
 行政書士は何をする仕事ですか?


2 パティシエはパティシエの資格だけでは開業できない!
 将来パティシエになりたい人、お待たせしました。

 見出しにも書いたように、パティシエとして自分のお店を持つ場合、菓子製造技能士の資格を持っているだけでは開業出来ません。

 何故か?
 その資格はあくまでも菓子製造に関する資格であり、食品を取り扱う店舗の開業には足りないからです。

 飲食物を取り扱う場合、そのお店の規模に関係なく保健所への申請・許可が必要になります。
 自分で作る場合も、市販品を小売する場合も必要です。

 これはただ単に保健所に「チョコ菓子を売りますよ!」ってだけでは許可されません。

 許可が下りる様な条件を満たすお店や設備を準備し、シッカリとした書類に必要なことをシッカリと記載し、適切に申請することで許可が下りる可能性があります。


3 パティシエと行政書士(開業時)
 「そんな難しい申請なんてわからない!」
 そのように思ってしまった将来のパティシエさんがいるかもしれません。

 しかし、そこはご安心下さい。
 実はそのような手続きを全部任せることができるプロが存在します。

 それこそが、さっきからチョコチョコ見掛ける【行政書士】と言う人達です。


 貴方が修行を重ね「イザ開業しよう!」と思った時に思い出して下さい。

「開業にはお菓子を作る能力があるだけでは無理だった!」
「そうだ、確かそのプロが行政書士って人達だった!」と。

 申請や届け出等の細々として、面倒で難しい作業は全部任せてしまいましょう。


4 パティシエと行政書士(開業後)
 そこで行政書士と仲良くなっておくと何かと便利ですよ!
 何故か?

 行政書士はお店開業限定のプロではなく、日常的に発生する手続きやトラブル解決のプロだからです。

 このトラブル解決は話術が上手いと言うことではなく、法律で解決するプロです。

 普通は弁護士をイメージするかもしれませんが、弁護士は裁判で戦う場合に本領発揮するトラブル解決のプロです。

 裁判をしないなら、同じレベルの質で、しかも料金が安い行政書士がおススメです。

「パティシエがトラブル?」
と思うかもしれませんが、世の中クレーマーはいます。

クレーマーじゃなくても、通信販売も行うなら「送った、届いていない」「やっぱりキャンセル」等、自分でお店を持つとトラブルは発生します。

 そのようなトラブルを法的に解決できるのが行政書士です。

 このように行政書士は、面倒な申請を代行する人ってだけではないんですよ!



 このように【将来なりたい職業ランキング】から行政書士との関わり合い方は広がります。
 パティシエになりたい貴方は是非スムーズに開業できるように覚えておいてください。

 行政書士になりたい貴方はもっと考え方を柔軟にして、行政書士に出来ることは?を常に意識して欲しいと思います。


【関連記事】
<行政書士開業はやっていける?>

<行政書士との士業ダブルライセンスにメリットはない>

<開業に成功するために必要な考え方 2選>
<様々な士業資格の特徴を知ろう!>

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親の話と社会権には千に一つも無駄が無い #19

 本ブログは【一発合格行政書士 合格テキスト(TAC出版社)】に沿って書かれています。


 今回は憲法「社会権」です。
 学校の公民の授業でもやる部分ですので聞いたことがある言葉も出て来るかも!?

1 生存権
【憲法25条1項】全ての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
【同条    2項】国は、全ての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

 今までの条文は国民に対して権利を保障するなどの趣旨でしたが、この生存権はちょっと違います。
 「このように国政を運営しましょう!」と宣言しただけとされています。

 そのため、この条文から国民に対して具体的な権利は与えられてはいません。

 宣言文だと捉えて下さい。

<判例 : 堀木訴訟>
【簡単な内容】
 社会保障は生存権を保障するために設定されている制度である。
 この社会保障である障害者福祉年金と児童扶養手当との両方を受け取る要件を満たしている者が、両方を受給することは禁止されているのは違憲ではないか?と争われた事件。

【判決】
 憲法の生存権は宣言したものにとどまり、この生存権実現のために具体的な選択決定は立法府の広い裁量に委ねられている。
 そのため、司法である裁判所が審査判断する趣旨には合わない事柄である。

※ 日本は三権分立なので、要は他権力独自の権限に口出しはできないと言っています。
※ 裁量とは、自由に意思決定や判断が出来る余地のことです。


2 教育を受ける権利
【憲法26条1項】全て国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、等しく教育を受ける権利を有する。

【同条    2項】全て国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う。義務教育はこれを無償とする。

 ここで注意が必要な部分としては、義務教育は無償って部分でしょうかね。
 この無償の範囲は学費の部分です。
 つまり、教材費や給食費等は無償の範囲には入っていません。

 これとは別に、教育方針に関する判例があるので見てみましょう!

<重要判例 : 旭川学力テスト事件>
【簡単な内容】
「子供と直接接する機会の多い教師や親、近所の人々等が教育内容を決定すべき」
と考える人達と
「国が教育内容について決定し、教育水準を維持すべき」
と考える人達とが、自分達の主張が正しいと争った事件。

【判決】
 どちらの主張も極端すぎて全面的に採用することは出来ない。
 義務教育の教師にも何をどのように教えるか?の教授の自由は保障される。
 しかし、義務教育で子供側には学校や教師を選択する自由はなく、義務教育の目的としては全国的に一定水準の学力を確保することが挙げられる。

 そのため、国は、必要な範囲で教育の決定権を有する。

※ そのため、義務教育の教科書選定等は教育委員会がやっていますが、実際に教える授業は教師の工夫で色々と行っています。


3 労働基本権
【憲法27条1項】全ての国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。
【同条    2項】賃金、労働条件等は、法律で定める。
【同条    3項】児童は、これを酷使してはならない。

【憲法28条】勤労者の団結する権利及び団体交渉、その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

 電通の過労死問題とか、ブラック企業とか、昨今ではこの権利はとても注目を浴びている部分の一つですね。
 なおこの部分に特化している士業者は社労士です!

 行政書士試験では特に重要ではないので、触れる程度で終わりです。

<判例 : 国労広島地本事件>
【簡単な内容】
 労働組合が組合員に対し、組合費の負担を義務付けることは違憲か?が争われた事件。

【判例】
 組合が行う反対闘争活動のための費用納付を義務付けるのは認められない。
 しかし、反対闘争活動によって不利益を受けた組合員を救援するために納付を義務付けるのは許される。


 公民の授業より少し踏み込んだ感じですかね?
 旭川学力テストの内容を頭に入れておくだけで、問題ない部分ですから、ドンドン次へ行きましょう!

 次は外国人の人権についてです!
 条文を見ていればわかると思いますが、憲法は基本的に【国民】と表現していますからね!

 お楽しみに!

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2017年1月18日水曜日

完璧な選挙権など存在しない #18

本ブログは【一発合格行政書士 合格テキスト(TAC出版社)】に沿って書かれています。


 今回は憲法「参政権」です。
 政治に関する部分で、勉強する前から一歩下がってしまう人が多い部分ですが、いつものように分かり易く噛み砕いて行きますので、よろしくお願いします。

1 選挙権
【憲法15条1項】公務員を選定し、罷免(ひめん)することは、国民固有の権利である。
【同条    2項】全ての公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。
【同条    3項】公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
【同条    4項】全て選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問われない。

 条文は色々と難しく書いてありますが、簡単に言うと「適切な選挙を保障しますよ!」ってことです。

 1項は、国会議員等は国民が選挙で選びますよってことです。
 2項は、選挙で選ばれた公務員は全国民のために働かないといけないってことです。
 3項は、18歳から選挙権を認めるとなったので、少し変わるかもです。
 4項は、自由に、誰に投票しても良いし、それによって責任に問われることはないってことです。


2 選挙における原則
① 普通選挙
 財産や納税額などによって制限を設けず、一定の年齢に達した者には選挙権を認めること。

② 平等選挙
 選挙権の価値は平等であることを原則とする。
議院定数不均衡訴訟#6でやった部分はこの原則に違反しています。

③ 自由選挙
 投票は有権者の自由な意思によるべきであり、棄権しても、罰金等の処分をうけないこと。

④ 直接選挙
 有権者が直接選挙できること。

⑤ 秘密選挙
 誰に投票したか秘密にすること。
※ 出口調査は答えなくても良い任意のアンケートで、有権者が自分の意思で教えているので、この原則には反しません。

<重要判例 : 在外国民選挙権制限違憲事件>
【簡単な内容】
 在外国民(海外に住んでいる日本人)に国政選挙への投票を認めていない公職選挙法は選挙権を侵害しているのでは?と争われた事件。

【判決】
 国会が長い間在外国民の投票についての制度を全く創設せず放置し、投票権を全く認めない状態は違憲である。


3 労働組合との関係
 労働組合等によっては支援している政党や政治家がいます。
 しかし、その特定の政党等を応援しない組合員や、対抗馬として自ら立候補した組合員に対して処分を科すのは違法であり、許されない。

 ただし、説得する程度なら参政権を侵害するとまでは言えないので、違法ではない。


 選挙はとりあえずこれでお終いですので、お疲れ様でした。
 次は公民の授業でも見た覚えのある部分ですよ!

 少し昔を思い出しつつ読んでみて下さいね!

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2017年1月17日火曜日

貴方にこそ読んでもらいたい、行政書士の全てがここでわかる!

 行政書士試験の難易度や具体的な勉強時間等が気になる受験生がとても多いと思います。
 
 そこで、それらについて書きたいと思います。
 多くの資格の学校等の目安は「集客」を目的にしています。

 嘘は言っていませんが、平均レベルの受験生向けの数字ではありません。
 そこで、平均~苦手レベルの受験生向けに私の実感からの情報を提供します。

1 行政書士とは?
 役所(行政)に関する手続き等を代行する法律家です。

 その他にも契約書関係や相続等、一番身近な法律問題を取り扱うので、【街の法律家】のように呼ばれます。

 法律家としての行政書士の仕事をより知りたい貴方は
【士業資格の違い】
【行政書士とのダブルライセンスについて】
【行政書士は独立開業で事務所開設して儲かるの?】

 こちらの記事も是非読んで下さい。

 他の士業資格(弁護士、司法書士、社労士、宅建士など)との違い、複数の士業資格取得(いわゆるダブルライセンス)を考える場合の落とし穴、独立開業してやっていけるのか?儲かるのか?等についての記事を書いていますので、是非読んで下さい。

 より行政書士とは?を知ることができます。

 

2 行政書士試験の情報
<受験資格・条件>
 受験資格や条件は特にありません。
 年齢や学歴に関係なく、誰でも受験可能です。

 未成年者でも、定年退職後の人でも、受験し、実際に合格している人もいます。

<試験日>
 年1回、11月第二日曜日が試験日です。

<合格発表>
 試験年度の1月後半です。
 今年度の合格発表は1月31日です。

 合格発表の方法は行政書士試験研究センターのサイト上に受験番号表示がされます。
 また、合否結果票がその日に送付されますので、合格発表日の数日以内に正式な通知が届きます。


3 行政書士試験の難易度
<合格率>
 合格率だけで見ると2~11%と年によって差があります。
 それでも昨今では合格率7~10%で安定してきているようです。

 この数字だけ見ると、行政書士試験より遥かに難関な司法試験(弁護士になる試験)より合格率は低くなっています。
 司法試験の合格率が概ね20%前後ですので。

 これは何故か?
 それは、行政書士試験の受験条件が「誰でも受験できる」なので、記念受験をする受験生も多いためです。

 流石に何の勉強もしなくて合格できるほど易しい試験ではありませんので。


<勉強時間による目安>
 通信教育や予備校等の情報を見ると【法学無学者でも半年の勉強で合格】【法学無学者で300時間の勉強で合格】等と書かれています。

 しかし、この数字は法学無学者の中でも上位の人達の情報だと思ってください。
 貴方自身が「勉強に強く、得意だ!」と言い切れるような人じゃなければ、この数字は全くあてになりません。

 実感として、普通の人が仕事をしながら勉強すると合格するまでには3~5年は覚悟した方が良いと思います。

 勉強時間に関しては、意識するだけ無駄です。
 出来るだけ時間を抽出することだけ意識して下さい。

 何時間勉強しようと、合格するための効率的な勉強をしなければ300時間だろうと、1000時間だろうと、1万時間だろうと、勉強しても受かりません。

合格に向けての勉強方法に関しては
【失敗する勉強方法、成功する勉強方法】
【試験勉強、試験当日の眠気対策。食事方法】
【試験勉強で貴方の邪魔をする者達】

 こちらの記事を参照して下さい。
 資格試験のための勉強方法や、過去問を解くメリットや目的について、眠気が出る原因と対策、SNS上で貴方を邪魔してくる善意の危険な人達等を紹介しています。

 行政書士試験の難易度は、闇雲にただ勉強するだけで合格できるほど優しい資格試験ではありませんので、参照して下さい。


<体感的な難易度>
 独学でも取得できるギリギリラインの資格だと思います。
 特別な指導を受けなくても合格は出来ると思います。

 しかし、短期合格を目指す場合、難関資格の試験にとても慣れている人とか、法学部出身者等じゃなければまず一発合格は無理なほどの難易度です。

 先程も言ったように、普通の人なら3~5年は覚悟する必要がある試験です。

 普通の人であれば、行政書士試験に合格するための勉強を必死に行っても一発合格はほぼ無理です。


 試験にチャレンジすらしていない人や、昔に取得した人あたりがネット上で
「行政書士試験なんて一般常識があれば取得できるよ!」
と言っていますが、参考にしない方が良いです。

儲かる、儲からないの噂に関しては最初に紹介した
【行政書士は独立開業で事務所開設して儲かるの?】
を参照下さい。


 10年以上前の昔の過去問を解くと確かに簡単ですので、昔はそうだったかもしれませんが、今は一般常識程度の知識では一般知識問題すら解けません。

 法学部の学生でも落ちるくらいの難易度だと思ってください。

 つまり法学無学者なら、楽することなんて一切考えず全力で挑むべき難関資格です。


4 行政書士の求人
 行政書士の求人は少ないです。
 そして、低給です。
 何故か?の説明の前に、どのくらいかを紹介します。

<行政書士の求人 : 東京の場合>
【正社員給料】 概ね15~20万円前後。
【アルバイト】  時給1000円くらい
【業務】 補助、一般事務業務が多い(つまり行政書士にしか出来ない業務ではない)


<行政書士の求人 : 大阪の場合>
【正社員給料】 概ね15~30万円前後
【アルバイト】  時給1000円~1500円前後
【業務】 補助・一般事務が多い(行政書士にしか出来ない業務ではない)


<行政書士の求人 : 福岡の場合>
【正社員給料】 13~20万円前後
【アルバイト】  時給800~1000年前後
【業務】 補助・一般事務が多い(行政書士にしか出来ない業務ではない)


<行政書士の求人が低給料で、補助や一般事務な理由>
 それは行政書士資格は独立開業をすることを想定している資格だからです。
 【行政書士は独立開業で事務所開設して儲かるの?】
でも書いていますが、行政書士業界はある程度の飽和状態にある業界です。

 つまり、自分の事務所を維持するだけでも結構大変で、お得意様で成り立っているような状態です。

 もしもそこで、他の行政書士を雇ってしまうとどうなる可能性があるでしょうか?
◎ 雇った行政書士にお得意様を持っていかれる
 これはわかりますね?
 業務の中でお客と絶対に接しないなんて有り得ません。
 そこで、お得意様が従業員の行政書士を気に入ってしまう可能性があります。

 勿論気に入ってもらう方が良いのですが、問題はその先にあるんです。
 先程言いました。
 【行政書士は独立開業を想定した資格】と。

 つまり、「どの行政書士もいつかは独立開業する可能性がある」
と見られています。

 お得意様が従業員の行政書士を気に入った状態で、開業されてしまうとお得意様を持っていかれてしまうんです。

 これは、お得意様で成り立っている個人事務所にとっては死活問題です。


◎ ライバルを育てる
 【行政書士を雇う=ライバルを育てる】と言うことです。

 先程のお得意様を持っていかれるもそうですが、行政書士が行政書士を雇うと言うことは、いつか独立開業する行政書士を育てるということになります。

 ある程度飽和状態にある業界で、優秀なライバルを育てるメリットは個人事業者にはありません。


 「セコイな!」と思う人もいるかもしれませんが、自分の事務所を継続するのと天秤に掛けると、どうしても保守的になるのは仕方がないと思います。

 だから、行政書士事務所では求人が少なく、求人があったとしても行政書士としての仕事はさせず、一般事務や補助なんです。

 司法書士事務所や規模の大き目な行政書士法人となるとちょっと意味合いが変わってくるので、少し状況は良くなるようですが、低給で、求人が少ないことに変わりはありません。



 それでも独立開業ができ、開業資金が少なくて良い部分には魅力がある仕事です!
 この記事を読んでいる貴方は行政書士と言う仕事に興味を持った人だと思います。

 是非【行政書士は独立開業で事務所開設して儲かるの?】等の記事も読んで、チャレンジしてみるのも良いと私は思います。

 長文を最後まで有難う御座いました。


【関連記事】
<行政書士開業はやっていける?>

<行政書士との士業ダブルライセンスにメリットはない>

<開業に成功するために必要な考え方 2選>
<様々な士業資格の特徴を知ろう!>

<行政書士は「子供の将来なりたい仕事」に注目すべき!>

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