2017年1月31日火曜日

5分で理解する名城大学教授解雇事件

 今回は一つの事件について記事を書いてみようと思います。

 それは【名城大学教授解雇事件】についてです。

 私も今までキチンと全体像を見たことのない事件なので、普段私がどんな知識等をどんな風に噛み砕いて書いているのかの参考にしてみて下さい。

【名城大学教授解雇事件の判決文】


1 事件の概要

名城大学はA教授を
◎ 様々な内部紛争訴訟を提起し、解決のための条件を実行しなかった。

◎ 大学の建物や経費等を自己のために使う等の違法行為を繰り返していた。

◎ 自身の利益になるように裏取引等をして大学に対しての背信行為を行っていた

◎ 学部移転に伴う人員削減。
等を理由に解雇した。

 その際、理事会による決議で解雇としていたが、学則に載っている解雇手続きとしての教授会の決議は行っていなかった。


<A教授の訴え>

今回の解雇は無効だと主張し、給与の支払い請求をした。

 解雇が無効であると主張する理由として
◎ 学則に載っている解雇手続きとしての教授会を開催せず、いきなり解雇している。

◎ 解雇理由に正当性がない。
※ つまり「私の行為は悪いことかもしれないけど、それは解雇とは別問題だ!」って事です。


<大学の主張>

A教授と対立姿勢を見せ、解雇は妥当だと主張しました。

 解雇が妥当な理由として
◎ 教授会は開催していないが、法人の理事会で解雇の決定をしている

◎ 違法行為や大学への背信行為は十分解雇理由になる


2 争点

お互いの主張でどこに対立があるのかを整理します。

◎ 大学での懲戒解雇手続きとして、学則に反して教授会を開催せず、法人としての理事会の議決だけで解雇は可能か?

◎ 違法・背信行為は解雇理由になるか?



3 判決理由

<解雇手続きについて>

法人の場合、理事会だけの議決で懲戒解雇は可能である。

 大学の場合、憲法で保障する学問の自由・教授の自由を保障するために自治権が特に強く認められており、その自治権を守るためのモノが学則である。

 そのため、大学の場合は憲法を守るレベルで学則を順守すべきであり、理事会の議決だけでの解雇は無効である。


<違法・背信行為について>

そもそも解雇自体が無効なので、それ以外の事由は見るまでもない。



4 判決主文

◎ 大学の懲戒解雇処分は無効である。

◎ 解雇は無効なため、A教授にこれまでの期間の給料を支払いなさい。



 最初にリンクした判決の原文の方を見てもらえばわかりますが、読むのが嫌になってくるくらい、連々と色々なことが書かれていますが、一文で簡単に言うと

【大学の場合は、学問・教授の自由を重視して、学則に従いなさい!それに従わない処分は無効です!】って事ですね。


これは教授会をキチンと開いて解雇していれば、大学の勝ちだった可能性が高いですね。



 今回はちょっといつもとは違った趣向の記事を書いてみました!

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