行政書士試験についても言わせて下さい。
今はまだ2月です。
行政書士試験の出題はその年の4月までの出来事ですので、この判決も出題される可能性は十分にあります。
それでは、本題に戻ります。
その判決は【忘れられる権利】についてです。
1 忘れられる権利
インターネットが普及したことで、様々な情報が後世にまで残るようになりました。
それが良い情報だけなら良いのですが、中には風評・ネガティブ情報と言われる類の情報もあります。
そのような悪い情報がずっと人目に付くと、それによって落ちた状態から再起を図る妨げに成り得ます。
そこで、そのようなインターネット上で検索されないように、人目に付かないように、
「忘れてもらうのも重要な権利ではないのか?」
と言うことです。
2 犯罪者は更生させるべき
これは私の考えと言うより、日本の考えです。
貴方は疑問に思ったことはありませんか?
「何で犯罪者は数年で出てこれるの?」
少し過激な人になると
「何で犯罪者は全員死刑にしないの?」
等々。
その理由は、犯罪者の更生・社会復帰を前提にしているからです。
だから刑務所では役務を行い、社会復帰の足掛かり、慣れをさせますよね。
つまり、更生の邪魔になるようなことは排除する必要性があると言うことです。
3 忘れられる権利を求める裁判の背景
日本でこの裁判が行われる前にECで、忘れられる権利が裁判で認められ、このような犯罪歴・ネガティブ情報は検索されてもヒットしないように削除されました。
更に前述したように、日本は基本的に「犯罪者は更生するべき」との考えなので、今回の判決は日本でもとても注目されていた裁判です。
4 忘れられる権利の最終的な裁判結果
【簡単な内容】
Aさんは3年以上前に犯罪を犯してしまい報道された。
その後3年以上経過し、仕事も始め、結婚もし、社会復帰を果たした。
しかし、グーグルやヤフー等の検索サイトで名前等を検索すると、逮捕歴に関する情報が表示されてしまい、社会復帰した今の状態が崩れてしまう恐れがあるとして、削除を求めた裁判。
【判決】
初めての事例なので、今後判断する時の基準となるようなことも言われました。
<考慮すべきこと>
◎ 載っている情報の内容
◎ それを知られることによる被害の程度
◎ 今の社会的地位
等を考慮して判断すべきとした。
<どう判断するのか?>
【犯罪歴等の報道による公益性】と【プライバシーの保護】を比較して判断すべき。
<今回の判決>
本件の逮捕歴は今でも公共の利益が存在する。
現在Aさんが罪を犯さず、仕事をし、結婚もしていることを考慮しても、プライバシー保護が優先されるべきとは言えない。
このようにAさんの訴えを棄却し、削除は認めませんでした。
そのため、EUでの判決、忘れられる権利と言う趣旨には触れませんでした。
更に「このように判断しましょう」と大枠を示しただけで、具体的な判断基準までは示しませんでした。
5 感想
ここは法律がどうとか、裁判でそこまで考慮すべき、するべきではない等の考えは抜きに、単純な感情での感想を述べます。
<判決理由について>
まず、判決理由には納得できます。
要は「公共の利益とプライバシーに関する利益と比較して、より重視すべき方を認めましょう!」ってことですので、従来通りの判断だと思います。
<権利の軽重判断について>
しかし、個人的にはこの比較した部分にちょっと不快感を持ちます。
今回の判決は
◎ 悪いことをせず更生できている
◎ 妻子がいる
「これらのことを考慮しても、削除は認めない」です。
つまり
【仕事と妻子を失うかもしれないこと】&【妻子の人生も大きく変化すること】より、【3年以上前の軽い犯罪歴を不特定多数の者に見てもらう事】の方が、より利益が高いと判断しているってことです。
※ ここでの「軽い犯罪」との見方は、罪状ではなく単純に刑罰だけで言っています。
この場合、情報の内容が犯罪歴なので、その妻子の生活が一変してしまう可能性を含んでいます。
それでも、古い犯歴報道の方が利益があるって、人の生き方を軽く見られているようで不快じゃありませんか?
<犯罪を犯した本人以外への影響>
100歩譲って、犯罪を犯してしまったAさんだけの問題ならまだしも、その妻子の平穏な生活をも侵害する恐れがあるのですから、もう少し男性側の主張を深く判断しても良かったように感じます。
多くの大衆は「もうずっと前のことでしょ?そんなの関係ないよ」と受け入れられる程寛容な生き物ではありませんからね。
実際に今回の判決に対しての感想をツイッター等で見ていると、その多くは
「犯罪者が何言ってるんだ?権利、権利主張するな!」って意見がほとんどですからね。
このような感想を持つ人達が、他人の犯歴を知って受け入れられるとは到底思えませんよね。
<無関係だと思っている人への影響>
今回の判決は、そのように強く批判している貴方自身も知らないだけで、貴方の家族がAさんのような状態の可能性もあります。
そして、それだけで貴方の今の平穏な生活が一瞬にして無くなる可能性があり、「それは他の利害のために我慢しろ!」ってことですからね。
これって怖いことですし「私の今の生活、生き方を何だと思ているんだ!軽く見るな!」と不快に思いません?
犯行に対しての裁判なら犯人と被害者だけのことを考えれば良いのですから、その際に被害者感情を考慮することはとても大切です。
しかし、今回のように更生後の裁判となると、
「悪いことをして、被害者のことも考えないで、何勝手な事言ってるんだ!」
と言うような、犯人と被害者だけの問題ではないんですね。
まぁ感想は完全に私個人の勝手な感想なので、あまり気にしないで下さい。
とにかく、今回の最高裁判所の判決は多くの更生した者を落胆させる結果になったと思います。
【関係記事】
<憲法 幸福追求権>
賛同するか、しないかはともかく、色々と考えさせられる事案だと思います。
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